日本女子大学の成瀬記念館(文京区目白台2)で現在、「女子大学校創立の恩人─広岡浅子展」が開催されている。
現在放映中のNHK連続テレビ小説「あさが来た」をきっかけに企画された同展。同ドラマの主人公である白岡あさのモデルとなった広岡浅子は同大設立の最初の支援者の一人。同館担当者は「これまで広岡浅子個人にスポットライトを当てた展示はなかった。ドラマ放送をきっかけに広岡浅子がどんな人物だったかを見渡せるような展示を企画しようと考えた」と話す。
広岡浅子は明治大正期に活躍した女性実業家。明治維新の動乱の中で、嫁ぎ先であった加島屋を守るため、炭鉱経営、銀行の創設などに尽力し、大同生命の創業にも携わった。
1896(明治29)年に、同大設立者である成瀬仁蔵の著書「女子教育」を手渡され、その考えに共鳴。以後、成瀬が目指した女子のための高等教育機関の創設の最初の支援者となり、支援者や寄付金集めに奔走したという。
同展では、成瀬仁蔵宛て書簡や自作の短歌、写真、文書資料などを展示。同大被服学科卒業生が白黒写真を元に再現したドレス2点も展示する。公開される書簡20通のうち、16通は初公開となる。
「これをきっかけに、広岡浅子という人物を知ってほしい。生の資料から、ドラマとはまた違った広岡浅子の実像の一端に触れていただければ」と同館担当者。
開館時間は、10時~16時30分(土曜は12時まで)。日曜・月曜・祝日と2月2日、3日は休館。入館無料。3月4日まで。