東大・安田講堂で「証券投資の日」にお金のことを学ぶ公開講座

左から、鈴木茂晴さん、生駒里奈さん、宮澤正憲さん、柴山和久さん

左から、鈴木茂晴さん、生駒里奈さん、宮澤正憲さん、柴山和久さん

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 文京区本郷の東京大学・安田講堂(文京区本郷7)で10月4日、公開講座「100年大学 開学記念特別講座」が開催された。日本証券業協会の主催。

アカデミックガウン姿の生駒里奈さん

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 同協会が8月1日に始めた「100年大学 お金のこと学部」の一環として「証券投資の日(10月4日)」にちなんで開いた同講座。同大教養学部ブランドデザインスタジオとのコラボレーションによる取り組みで、事前に申し込みのあった大学生に向けて、「人生100年時代」を見据えたお金との向き合い方や証券投資について学ぶ機会がもたれた。特別講師として小説家の羽田圭介さんと柴山和久ウェルスナビ社長が登壇したほか、「100年大学」の学生代表としてタレントの生駒里奈さんがトークセッションを行った。

 高校時代に作家デビューした後、会社員も経験した羽田さんは「専業作家になって初めてお金に関する不安を抱いた」という経験なども交え、「自分の中に2つの部門を持つ」をテーマに話した。「投資などで自分の中に黒字部門ができたら心に余裕ができるので、本当に自分がやりたいことができる」と羽田さん。同大経済学部の学生から、「若者が証券投資などに興味を持たないのはなぜか」と質問されると、「そもそもお金を持っていないということもあるが、スマートフォンさえ持っていれば何となく満足できて自分が貧乏だということに気付きにくく、危機感が持てないのでは」と応えた。

 卒業以来、初めて同大に足を踏み入れたと話す柴山さんは「人生100年時代の投資論」について講義した。アメリカ人の妻の両親と実父母の退職後の資産運用の違いに驚いたというエピソードから欧米と日本の違いなども紹介。学生から、「限られた時間やお金を投資に回すよりも、経験を積むことに使う方が将来のリターンは大きいのでは」と聞かれると、「若いうちは自分に投資するのがいい。借金して学んだことが何十倍にもなって返ってくるかもしれない。他方、やがて仕事の仕方がわかったころ、自分に投資しきれない時期というものが訪れるから、老後に備えるのはそれからでも」と話した。

 アカデミックガウンを着て登場した生駒さんは、「(「100年大学 お金のこと学部」の)学生代表として学生らしい服装で来てみた。こういう服を着ることができてうれしい」とほほ笑んだ。この日のために用意された特別問題で東大生と対決して東大生が間違えた問題に正解する一幕もあり、「楽しみながらお金の知識を学ぶことができた。もっと自分の将来のことをちゃんと考えていかなといけないと思った」と話した。

 開催に先立って登壇した同大教養学部特任教授ブランドデザインスタジオ主宰の宮澤正憲さんは「お金との付き合い方について考えなければならなくなっている今、経済学部など専門分野以外の人にも、考えてもらうきっかけを作ることができれば」と話した。同大教養学部では同大生を対象に10月~12月、「人生100年時代のお金と投資の未来を考える講義」を展開する。同協会の鈴木茂晴会長は「『人生100年時代』の皆さんの人生が、より安心でき、より楽しいものとなるよう、当講座をきっかけに証券投資について興味・関心を持っていただければ」と結んだ。

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