印刷博物館(文京区水道1、TEL 03-5840-2300)で4月25日から、企画展「ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ 書物がひらくルネサンス」が開催される。
同館で「ヴァチカン教皇庁図書館」をテーマにした企画展を開催するのは、2002年に次いで今回が2回目。前回は、15世紀に登場した活版印刷によって書物が「写本」から「印刷本」へと変遷していった過程を展示したが、2回目となる今回は「書物」と「ルネサンス」をテーマに、「ルネサンス」という文化運動に対して、印刷がどのような貢献を果たしたのかを展示を通して明らかにしていく。
同展では、ヴァチカン教皇庁図書館所蔵の中世写本・初期刊本・地図・書簡など計21点を中心に、印刷博物館および国内諸機関所蔵の書物を加えた計69点を展示し、ルネサンス精神の生き証人である書物の魅力に迫る。
同館の石橋さんは「日本では『ルネサンス』というと、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロといった芸術家を思い浮かべる方が多いと思うが、ルネサンスとは『再生・復興』を意味するイタリア語『リシナメント』から派生した言葉。再生・復興の対象となった古代ギリシャ・ローマの古典が普及するに過程で、大きく貢献したのが『活版印刷』だったという側面を、ヴァチカン図書館のコレクションを通してご覧いただきたい」と話す。
今年開館15周年を迎えた同館。石橋さんは「当たり前のようにある印刷が、どのような形で発展を遂げ人々の歴史に貢献をしてきたのか、じっくりと考えてもらえるよう、展示や体験等を提供していきたい」と展望を語る。
開館時間は10時~18時(入場は17時30分まで)。月曜と5月7日休館(同4日は開館)。入館料は一般=800円、学生=500円、中高生=300円、小学生以下無料。7月12日まで。
企画展初日の25日には、「図書館再生―なぜ図書館は生まれ変わるのか」をテーマにしたオープニング講演・シンポジウムが、東京大学本郷キャンパスの「福武ラーニングシアター」(本郷7)で開催される。時間は14時~17時30分。参加費は1,000円。定員は先着200人(要事前申し込み・先着順)。申し込みはウェブサイトとFAXで受け付けている。