
文京区千駄木の東京都指定名勝「旧安田楠雄邸庭園」(文京区千駄木5)で11月1日から、「江戸園芸のいろは~盆栽~」展が行われる。
「東京文化財ウィーク2025」参加企画で、公益財団法人日本ナショナルトラスト、たてもの応援団、さいたま市が共催。今年で開村100周年を迎えた大宮盆栽村(さいたま市北区)と連携する。
駒込、染井、滝野川一帯は江戸時代から植木屋や種屋が街道沿いに並び、江戸東京の園芸文化の中心地だった。中でも千駄木・団子坂近辺は幕末から菊人形の興行でにぎわった。明治になると近隣の植木屋は盆栽作りに力を入れていく。それら盆栽園が1923年(大正12)年の関東大震災をきっかけに郊外の大宮に集団移転し、「大宮盆栽村」を開いた。今年で開村100周年を迎えた盆栽村は、街路樹や生け垣で緑豊かに構成された街並みで訪れる人を魅了している。
会場では大宮盆栽の座敷飾りを展示。江戸の園芸、団子坂の菊人形、大宮盆栽村の歴史、盆栽基礎知識などをパネルで紹介。東京都指定名所の旧安田邸で、近代和風建築と大宮盆栽の美の共演を楽しめる。
イベントは2部で構成。3日は「ミニ盆栽作りワークショップ」(11時~・13時30分~、参加費3,000円、各回定員6人、小学校高学年以上が対象)。4日・5日は「園芸文化をたどるまち歩き」(11時15分~、同1,000円、同15人)を行い、大名庭園の名残や菊人形でにぎわった団子坂、富士神社などを歩く。いずれも事前予約が必要で、イベント参加には別途入館料が必要。
同法人の山村咲子さんは「旧安田楠雄邸の部屋のしつらえに合わせて盆栽を飾る。近代和風建築と大宮盆栽の美の共演を楽しみ、日本が世界に誇る盆栽文化に触れる機会にしてほしい」と話す。
開館時間は10時30分~16時(入館は15時まで)。入館料は、一般=700円、中高生=300円、小学生以下は保護者同伴で無料。イベント申し込みはメールで受け付ける。11月5日まで。