「日本パッケージデザイン学生賞2025」の贈賞式が11月26日、文京シビック小ホール（文京区春日1）で行われた。主催は公益社団法人「日本パッケージデザイン協会」。

バナナの熟成を動物の模様に見立てた大賞作品「食べごろ動物園」

　同賞は、パッケージデザインの新しい魅力と価値を学生と共に発掘することを目的に、2022年に始まったコンペティション。4回目となる今回は「FUN」をテーマにアイデアを募り、全国の大学・専門学校から858点の応募があった。

　当日は、厳正な審査を経て大賞・金賞・銀賞・銅賞・企業賞などに選ばれた27人の学生が出席。大賞には、専門学校桑沢デザイン研究所の陳楠楠さんの作品「食べごろ動物園」が輝いた。

　陳さんの作品は、バナナの熟成が進むと皮に現れる茶色い斑点「シュガースポット」に着目したデザイン。透明なシールを貼ることで、熟成につれて斑点が動物の模様のように浮かび上がり、色の変化を楽しみながら食べ頃が分かる仕組みを提案した。

　同協会の信藤洋二理事長は「バナナの皮は中身を保護し、食べ頃も知らせてくれる天然のパッケージ。動物に模様が現れるまで待つ時間もデザインされている」と評価する。「最小の材料で環境負荷を抑えており、フードロスを減らす効果にも期待できる」とも。

　入賞作品は同協会のウェブサイトやインスタグラムで公開しているほか、隔年刊行の「年鑑日本のパッケージデザイン」に収録される。