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本郷「元町公園」がリニューアル 歴史的景観を保全しながら防災機能強化

雨の中で行われたリニューアル記念のテープカットの様子

雨の中で行われたリニューアル記念のテープカットの様子

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 文京・本郷の「文京区立元町公園」(文京区本郷1)のリニューアル工事が終わり、12月14日、開園式を兼ねた記念イベント「もとまちフェス2025」が、同園と元町ウェルネスパーク一帯で行われた。主催は文京区、学校法人順天堂、元町ウェルネスパーク。

式典であいさつする成澤廣修文京区長

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 1930(昭和5)年に開園した同園は、関東大震災後の「震災復興公園」の一つ。隣接する旧元町小学校(現・元町ウェルネスパーク)と共に、昭和初期のモダニズム建築と公園が一体となった都内でも希少な場所として知られる。今回の整備では、歴史的景観を保全しながら、防災機能の強化とバリアフリー化を図った。

 当日は園内でテープカットが行われ、新たな地域拠点の完成を祝った。成澤廣修文京区長は「震災復興公園と小学校がセットで残る場所は珍しい。単に使われない文化財として残すのではなく、子どもたちの笑い声が聞こえる公園に育てたい」と話し、「今日は雨の中のスタートとなったが、春先など良い季節には多くの子どもたちが遊んでくれることを期待している」と話した。

 元町ウェルネスパーク西館では、セントラルスポーツや東京ユナイテッドFCによるスポーツプログラムのほか、協力企業による「motomachi GAUDI EXPO」が行われた。順天堂大学が参画する国のプロジェクト「COI-NEXT」の取り組みを紹介するエリアでは、入院中の子どもを支える「ファシリティードッグ」の活動を紹介したほか、災害時の栄養管理に関するブースを展開。同大の松田七美さんは「被災地には時間がたっても健康課題が残る。ここを拠点に、都市型の災害対策モデルを発信していきたい」と意気込む。一般社団法人「日本最適化栄養食協会」の福島周一さんは「災害時の食事でも健康を維持する大切さを伝えたい」と話し、来場者に災害食の重要性を説明した。

 東館のコワーキングスペース「WORK&NAP」では、女子美術大学が似顔絵ブースを出展。レストラン「by you文京食堂」では、当日限定のお子さまプレートやドーナツを販売した。駒井俊紀店長は「公園がオープンしたことをきっかけに、多くのお客さまに来ていただきたい。昼だけでなく、夜も子ども連れを歓迎しているので気軽に利用してほしい」とアピール。文京区が運営する地域交流スペースでは「もとまち縁日」「紙芝居SHOW!!」、元町育成室では「遊びの紹介」が、それぞれ行われ、親子連れが多く訪れた。

 公園エリアにはキッチンカーが並び、温かい食事を求める来場者が列を作った。会場内では大学生ボランティアらが運営をサポート。来場者は配布された冊子を手に文京区商店街連合会との連携企画「ブンキョウ歴史ナゾトキ モトマチタイムカプセラーズ」やスポーツ体験を楽しんだ。

 同大の植村剛士さんは「元町ウェルネスパークは、旧元町小学校と元町公園の一体的活用事業として文京区と学校法人順天堂、そして健康をテーマに社会貢献活動を実施する企業等が協働で運営する複合施設。100年後の未来の子どもたちにつながる地域の拠点として、今後もさまざまな機会を提供していきたい」と話す。

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