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文京でコミュニティナースが「みんなの保健室」 呼吸テーマに地域の健康考える

来場した地域の人の声に耳を傾ける金原久美子さん

来場した地域の人の声に耳を傾ける金原久美子さん

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 文京・関口の我楽田工房(文京区関口1)で10月29日、コミュニティーナースと地域の健康づくりを考える「みんなの保健室」が開かれた。

「吹き戻し」を10秒間吹き続けることができるか会場全員で試す

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 コミュニティーナースとは、病院や施設、訪問介護に従事する看護師と異なり、地域の中で専門性や知識を生かして健康的なまちづくりの支援を行う医療人材のこと。同イベントは、我楽田工房で今年6月から行われた「コミュニティナース育成プログラム」の卒業生らが「地域の健康づくりを実践していくために、どのような場づくりが必要か」を検討する実践的な取り組みとして企画された。

 今回のイベントでは「呼吸」をテーマに据えた。テーマを発案した同プログラム卒業生の金原久美子さんは「父がリハビリで吹き戻し(縁日などで売られている笛のおもちゃ)を使っているのを見て、リハビリを苦ではなく楽しんでいる姿が印象的だった。年齢を重ねると呼気が浅くなり、心肺機能の低下や発語や誤嚥(ごえん)にも関係してくる。父のこともあって、イベントでも参加者で車座になって吹き戻しをやったら面白いのではないかと考えた」と話す。

 当日は、卒業生4人がコミュニティーナースとして地域の人を受け入れ、日常生活や趣味の話題から話を掘り下げながら、それぞれが抱える悩みなどに耳を傾けた。来場した地域の人からは「病院は楽しくないけれど、こんな感じだったらいいな」「自分の町会でもやってほしい」など、好意的な声が多く寄せらせた。

 途中、会場にいる人に声を掛け、吹き戻しを使いながら呼吸を互いに確認し合った。金原さんは「高齢の参加者が多かったにもかかわらず、私たち以上にちゃんと吹ける人ばかりで驚いた。目で見て分かり、体験して分かるのが、吹き戻しの良さ。これをきっかけに、毎日の生活で健康について心掛けてもらえれば」とほほ笑む。

 イベント終了後の振り返りでは、企画したコミュニティナースらから「吹き戻しを使うことで、参加者が一体となった場づくり、健康づくりのきっかけができたと思う。今後は地元のイベントに出張するなど、もっと地域を巻き込んで、みんなの保健室を継続して実施していきたい」と意気込んだ。

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