文京区の「文化シヤッター」2階BXホール(文京区西片1)で3月13日、「第1回文京映画祭」が開催される。主催は文京映画交流クラブ(文京映画祭実行委員会)と小石川ウーマンベース。
「映画で広げよう、みんなの輪!」をテーマに、文京区民と地元企業が連携して取り組む同イベント。区民による自主制作映画(「こどもの部」「学生の部」「おとなの部」)のほか、「日活」(同区本郷)提供の名作映画などを上映する。
自主制作映画「こどもの部」は、同実行委員会主催の映画制作ワークショップでプロの指導を受け作ったショートムービー3編を上映。いずれも区内在住・在学の小学生が脚本・演技・編集を担当した。「学生の部」は、区内の都立工芸高等学校、東洋大学、東京大学の各映画サークルによる3編、「おとなの部」は、区内の坂道をモチーフにした作品など2編を上映する。
日活作品では、水木しげる原作のアニメ映画「カッパの三平」(平田俊夫監督、90分)をDVDの発売に先駆け上映するほか、文京区内各所が撮影地となった濱田岳主演作品「Miss Fortune」(水落豊監督、28分)、森鴎外と文京区ゆかりの文人たちの交流をつづった「ぶんきょうゆかりの文人たち~観潮楼を巡って~」(時枝俊江監督、38分)など全5編を上映する。
文京映画交流クラブを主宰する城石武明さんの「映画を通じて人の和をつくりたい」との思いに賛同した人が集まり実現した同イベント。2011年頃から構想を練り、2013年に映画好きの高齢者仲間と共に「文京映画交流クラブ」の活動を始めた。区内の特別養護老人ホームでの出張上映会や、「小石川ウーマンベース」と協力し親子向けの交流会やワークショップを行うなどの活動を展開してきた。
城石さんは「2015年に区主催のコミュニティ事業『恋愛映画制作講座』に参加したことで、プロの映画制作者らとの出会いも生まれ、映画祭に向けた夢が一気に現実化していった」と話す。「その後、文京映画祭実行委員会を結成し、こども向けのワークショップの企画・実施と並行して、区内の高校・大学の学園祭へ出向いて作品の公募依頼、地元企業への協賛のお願いなど、1年にわたって活動を続けてきた」という。
開催に当たり、地元企業が会場や上映作品の提供をしたほか、デザイナーらも制作物を無償で引き受けた。
会場を提供した「文化シヤッター」CSR統括部係長の小宮愛さんは「かつて多くの文豪が暮らした文京区は大学や多くの出版社がある『文教の街』。その魅力を多くの人に知ってもらうため、区民が自ら映画を撮り、自分たちの街を『映画の街』として盛り上げていくという活動に賛同した。今後も『映画の街、文京区』の発展に期待したい」と話す。
城石さんは開催に向け「文京区を映画の街にするための第一歩。これからさらに映画の『輪』を広げて、区内の『和』をつくっていきたい」と意気込む。
開催時間は9時30分~18時30分。入場無料。定員は160人(出入り自由)。