湯島天神(文京区湯島3)で8月21日、白梅商店会が主催する「ちびっ子広場」が開かれ、かつて地元で親しまれていた「湯島音頭」が約30年ぶりに復活した。
湯島音頭は以前、湯島天神で踊られていた盆踊りの一つで、音源と振り付けに関する資料だけは保管されていたが、近年は踊られることがなくなっていた。今回、地元の白梅商店会が毎年夏に行うちびっ子広場の会場が、男坂下(同区湯島)の路上から湯島天神境内に移ったことを機に、約30年ぶりに湯島音頭が復活することとなった。
白梅商店会青年部の大道寺勇人さんは「復活のために実際に踊ったことのある人を探したが、30年以上も前のことなので見つからなかった。そこで資料を元に踊りを再現できる人を見つけ出し、今回特別に指導していただいた」と、復活までの経緯を話す。
今年で11回目となる同広場は、「体験を通じて湯島を好きになる」がテーマ。地域住民の交流と絆の再生、地域のファンの増加、防災力向上を目的に開催される人気のイベントで、白バイ体験やはしご車体験、参拝体験など、さまざまな体験の機会を子どもたちに提供したほか、空手や太鼓といった地域住民によるステージ演目も披露された。復活した湯島音頭は同イベントのフィナーレとしてお披露目され、会場は大いににぎわった。
大道寺さんは「もともとは地域の子どもたちのために始めたイベントだが、路上での開催ということで、騒音の問題など全てが順調なわけではなかった。(自身も)湯島を一度離れ、7年前に戻ってきた。その時に好きだった昔ながらの居心地が少なくなっているのを感じた。湯島音頭を含め、イベントを通して、今の子どもたちに昔ながらの居心地を残す一助になれば」と話す。