東京大学本郷キャンパス(文京区本郷7)で8月27日・28日、第1回防災推進全国大会が開かれた。主催は内閣府、防災推進協議会、防災推進国民会議。
国民の防災に関する意識向上を図るため、昨年9月に発足した「防災推進国民会議」をきっかけに企画した同イベント。「大規模災害への備え~過去に学び未来を拓(ひら)く」をサブタイトルに、シンポジウムやパネルディスカッション、災害への備えについて家族で楽しく学べる30種以上の講義やワークショップを2日にわたり行った。
中野区から参加した永浦康史さんは「最近も地震が多いので、防災には興味があった。チラシを見て、息子と一緒に体験型のワークショップに参加しようと思いやってきた」と話す。家族でワークショップに参加した頼金愛実さん(小学5年生)、拓哉君(同3年生)姉弟は「東北の震災以来、普段から家族で防災についてよく話すようになった。今日の実験を夏休みの自由研究に生かしたい」と笑顔を見せる。
「Dr.ナダレンジャーの防災科学実験ショー」(全労済)では、国立研究開発法人防災科学技術研究所 企画部広報課の専門員で理学博士でもある納口恭明さんが、派手ないでたちのDr.ナダレンジャーに扮(ふん)し、うちわやジョウロなどの身近な小物を使って台風や豪雨のしくみを説明したり、ペットボトルで自作した簡易な装置で液状化現象を見せたりして会場を沸かせた。
27日に安田講堂で行われた開会式では、松本純・内閣府特命担当大臣が「おのおのが普段から備える自助」「ともに助けあう共助」の重要性について、「ここに集まった人たちは自助・共助の主役。経験の共有によって連携を強化し、関係者の輪を広げてほしい」と呼び掛けた。近衛忠輝・防災推進協議会会長も、熊本地震などの例を挙げて、平時からの備えの重要性を指摘した。