中秋の名月にちなんだイベント「お月見夜話」が10月1日、目白台の「ちんじゅの森サロンほぐほぐ」(文京区目白台1、TEL 03-6877-0425)で開催された。
当日は、事前予約で集まった親子連れなどがお月見にちなんだ小話や紙芝居を楽しんだ。
「お月見小話」では、旧暦と新暦の違いや、「芋名月」ともいわれる中秋の名月のお供え物は子孫繁栄の縁起物でもある里芋が由来であること、稲穂に似た穀物の実りを表してススキを飾ることなどの伝承に、うなずく親子参加者たちの姿が見られた。
紙芝居師の三橋(みはし)とらさんは「つきみだんごとまほうのぼうし」「かぐやひめ」「いなばのしろうさぎ」「ごんぎつね」の4作を披露した。「日本昔話が一番似合う季節が秋だと思っている。中秋の名月を拝みながら、皆さんと物語を共有できてとても幸せだった。なかなかライブを開きにくい状況ではあるが、今できることを精いっぱい、気持ちを込めてやっていきたい」と三橋さん。
ちんじゅの森を主宰する森村衣美さんは「先人たちの暮らしの延長に私たちが生きており、私たちの暮らしの延長に未来がある。私たちは何を大切にしていくか。お月見を通して、先人の思いに触れ、お供え物に込められている意味やその背景に思いをはせることが、これからの生き方のヒントになるのでは」と話す。森村さんは「参加者の皆さんに、とらちゃんの紙芝居の世界を楽しんでもらえたことがうれしい」とほほ笑む。
会場には、十五夜のお供えの団子やススキのほか、梨や稲穂を飾り、秋の装いを演出した。