
文京シビックセンター(文京区春日1)のギャラリーシビックで8月21日から、「歓迎!本郷旅館街~鳳明館と描くこれからのまち~展」が開催される。主催は文京建築会ユースで、本郷の老舗旅館「鳳明館」(本郷5)が協力する。
今回の展示は、2017(平成29)年に行った「歓迎!本郷旅館街」展の続編。当時は閉館した「朝陽館」を中心に旅館街の魅力を紹介したが、今回は再生へと向かう「鳳明館」に焦点を当てる。
本郷にはかつて下宿街から転じた100軒を超える旅館が立ち並び、多くの宿泊客でにぎわった。しかし、レジャーの多様化や周辺地域の開発の影響で旅館の数は激減。最後の大型旅館ともいえる国登録有形文化財の「鳳明館本館」を含む鳳明館3館も廃業の危機を迎えたが、地元有志の働きかけと地元企業の協力により存続し、再生に向けた新たな一歩を踏み出している。
会場では写真や図面を展示するほか、客室のしつらえを再現。浴衣やお膳など、本郷らしい宿泊文化が体感できるようにする。近隣の老舗菓子店や理髪店など、かつての商店の担い手にインタビューも行い、旅館とまちが支え合ってきた姿を紹介する「まちの生態系マップ」や映像なども展示する。
文京建築会ユース代表の栗生はるかさんは「鳳明館を起点に、旅館と地域が共に歩む未来を想像してほしい」と呼びかける。鳳明館女将(おかみ)の大曽根美代子さんも「新しい世代が本郷の旅館に興味を持ち、歴史を伝えてくれるのが心強い」と話す。
会場では「第13回 文京・見どころ絵はがき大賞」の展覧会も同時に行う。21日と24日には鳳明館本館の見学ツアーも行う。
開催時間は10時~18時(最終24日は17時まで)。入場無料。