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三菱食品、総額1億円の基金創設 子ども支援など3分野に助成

三菱食品「これからの100年プロジェクト」社会向け分科会(基金班)メンバー(左から、押野さん、江崎さん、岡田さん、新井さん)

三菱食品「これからの100年プロジェクト」社会向け分科会(基金班)メンバー(左から、押野さん、江崎さん、岡田さん、新井さん)

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 文京区内に本社を置く三菱食品(文京区小石川1)が9月30日、設立100周年を記念して「三菱食品 これからの100年基金」を創設した。初年度は総額1億円を拠出し、食のサプライチェーン構築、子ども支援、有事の復興支援の3分野で助成を行う。子ども支援では社員投票を経て助成先を選定する。

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 同社は今年3月13日、前身企業「北洋商会」の設立から100周年を迎えた。2024年2月、メインテーマを「感謝」と定めた「これからの100年プロジェクト準備委員会」を立ち上げ、設立100周年を記念して実行する各種施策の検討を重ねた。その中の一つである基金は2026年度以降も継続して実施する方針で、これからの100年にわたって続けていく構想を描いている。

 子ども支援では、いじめ、虐待、貧困、遺児・孤児、病気・障害、居場所、不登校、学習支援など、公益財団法人「パブリックリソース財団」がカテゴライズする8つの社会課題について、社員投票経て助成先を選定する。食のサプライチェーン構築では、各地域で活動するフードバンクに助成し、生活困窮者へ食を届ける仕組みを構築する。有事の復興支援では、災害発生時に都道府県や自治体へ直接支援を行い、食を通じて安心と希望を届ける。

 社員投票を採用した背景について、同社担当者は「会社の資金を使う以上、多くの社員に賛同を得て、興味・関心を持ってもらうことが重要。少しでも身近に感じてもらい、誇りを持って基金を応援してもらうことが、永く継続していくために必要」と話す。

 同社は基金創設以前から、区内でもさまざまな社会貢献活動を展開している。小学生向けに食品の製造から流通、リサイクルを学ぶ「食品流通を学ぶツアー」、高校生に対しては社会課題解決について学ぶ講座の受講機会も提供している。文京区を含む7つのNPOなどの団体が運営する「こども宅食」への商品(正規品)の寄付や、流通上の出荷許容外(賞味期限内)の商品を寄付し、経済的に厳しい家庭向けの支援に貢献している。2023年には、区と災害時における相互協力に関する協定も締結した。

   「これからの100年プロジェクト」の実行委員の一人として基金創設に携わった江崎久代さんは「これまで100年間、会社を支えてくださった全てのステークホルダーへの感謝の気持ちを込めて基金を創設した。『これからの100年基金』という名の通り、感謝はもちろん、これからも食のビジネスを通じて、地域の子どもたちや困っている方々を支え、持続可能な社会の実現に貢献していきたい」と話す。

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