東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅かいわいの商店街「茗荷谷五協会」で現在、跡見学園女子大学の田中浩史ゼミと協働したスタンプラリーが開催されている。
同ゼミの学生が「日頃お世話になっている茗荷谷かいわいを発展させるには」というテーマに取り組む中で発案した同スタンプラリー。文京区が明治、大正時代に活躍した多くの作家や詩人、文豪ゆかりの地であることから「大正ロマン」をコンセプトにし、同商店街の加盟店65店が参加する。現在、茗荷谷駅や周辺の学校、スタンプラリー提携店で専用台紙を配布しており、集まったスタンプの数に応じて最終日に行われる抽選会に参加できるという。
普段は「ITC時代における新しいコミュニケーションスタイルを探る」をテーマに研究を行う同ゼミ。学生たちの研究テーマもバーチャルリアリティーに集中する傾向があるというが、今回は「あえて現実のコミュニケーションの場を研究対象とし『地元』に焦点を当てた」という。
「住みやすい地域」としてメディアに取り上げられることも多い茗荷谷だが、一方で「地元民の高齢化や転居者が多いことから、地元としての結び付きが弱まっているのではないかと推測。中でも、以前は生活の中心にあった商店街が生活者の購買活動の変化や店舗の後継者不足等に伴い衰退してきている」という背景から、同ゼミでは大学から徒歩圏内にある商店街「茗荷谷五協会」に向けて商店街の活性化案を提案。提案した20本の企画の中から、今回スタンプラリーが採用された。
実現に向け、学生らは商店街役員との会議を重ね、各店舗への協力依頼など全体の運営を行ったほか、ポスターやスタンプラリー台帳などの制作物のデザインも担当した。同ゼミの学生は「真っ白な何もない白紙の状態から一つの形(企画)を作り上げ、色を付けていく作業は、想像していたよりも難しいことだった。投げ出しそうになったときもあった」と振り返る。
「自分たちで提案したことが実際に企画として成立し、今ではゼミ活動の域を超え、本格的な地域貢献活動となったことが本当に夢のようで、作業をしながらわくわくしていた」「スタンプラリーが始まると、街中でスタンプラリーのポスターを見掛けることが通学の楽しみになった」とも。「秋の商店街をゆっくり楽しんで、たくさんのスタンプを集めて、抽選会に足を運んでもらえれば」と呼び掛ける。
参加無料。10月22日まで。