本郷図書館(文京区千駄木3)が発行する新しい切り口の図書館便り「book+cat(ブックスプラスキャット)」が注目を集めている。
図書館ならではの地域の魅力発信。文京区本郷図書館の「book+cat」が5年目
同冊子は図書館便りという形式をとっているが、その内容はまるで地域のフリーペーパー。文京の地に暮らした文人たちとその著作の紹介を軸に、読者が文学や地域をより身近に感じられる内容となっている。
本と地域を結ぶ「本郷ゆかりの文人紹介」のコーナーでは、毎回文京区にゆかりの文人1人を紹介しながら、その著書や人物を紹介。図書館の蔵書から読み解いた文人に関する情報を分かりやすく伝える。そのほか、毎回テーマを設定して地域を散歩仕立てで紹介する「山羊さんぽ」、地域の衣食住など文化的な要素に着目した「このへん♪フォーカス」が定番の企画。
発行のきっかけは「面白い図書館の広報誌を作りたい」という職員たちの声だった。2010年12月に第1号を発行してから今年で5年目を迎え、現在では図書館利用者を中心に、その人気が広がっている。
冊子の取材・編集から印刷まで、その全てを同館職員が行う。「最近では前号を超えようと内容にこだわる余り、スペースが足りないくらい」(小山副館長)。図書館職員が新しい切り口で、文学に親しんでもらうための職員の心意気が見え隠れする。
八木館長は「今後も引き続き発行を続けていきたい。図書館から情報を発信して、地域の方に親しんでいただける館にしていきたい」と意気込みを見せる。
冊子の名前は、図書館の周辺に猫(cat)が多いことと、図書目録(catalog)をイメージして『book+cat』と名付けられた。発行は年2回程度(不定期)。同館のほか、近隣の店などで配布している。最新号、バックナンバーは全て同館で入手可能。