福島県葛尾村の歴史と暮らしを伝える企画展「結の村・かつらお展」が2月7日・8日、江戸川橋の「我楽田工房」(文京区関口1)で開催される。主催は早稲田大学の博物館支援サークル「ミュゼさぽ」。葛尾村教育委員会が後援する。
同展は、東日本大震災と原発事故の影響を受けた福島12市町村と東京の学生をつなぐ実践型プロジェクト「F12FLY」の一環。博物館支援をテーマとする同サークルが、人口1217人(2026年1月現在)の葛尾村の郷土文化保存伝習館と連携し、東京ではあまり知られていない同村の歴史や暮らしを都内の人々に伝えようと企画した。同村は、原発事故の際に全村避難を余儀なくされたが、古くから「結」という助け合いの精神が息づいている。
学生らは昨年8月と12月に同村を訪れ、村に移住してアーティストとして活動する大山里奈さんの案内で伝習館や神社、トロッコ列車の跡地などを巡った。伝習館では戦前の教科書や昔の農機具を目にし、「教科書で見た実物」と興奮。博物館の知識を生かして葛尾村に貢献できないかと考え、伝習館の所蔵資料を借り受けて東京で展示することを決めた。
展示は「祭り」「学習・日常」「産業」の3本柱で構成。見どころは村の伝統行事「宝財踊り」で使われる色鮮やかな衣装10点で、それぞれが祭りの中でどのような役割を担っているかを紹介する。資料だけでなく、その背景にある村の暮らしや人々の思いも伝える。
8日は12時から、村の特産品「凍(し)み餅(もち)」づくりを体験できるワークショップも予定 。凍み餅は東北地方に伝わる保存食で、ご当地キャラクター「しみちゃん」のモチーフにもなっている 。当日は餅つき体験のほか、試食も行う 。
同サークル代表の高橋清仁さんは「『結』には『結ぶ』『つなぐ』という意味があり、葛尾村がスローガンとして掲げている言葉。展示を通して、東京に住む学生や人たちと葛尾村の文化や歴史をつないでいけたら」と話す。展示準備では、伝習館の資料に背景情報がほとんど残されておらず、一からキャプションを考える作業に苦労したという。「葛尾村が育んできた歴史や暮らしの積み重ねを、身近に感じてもらえたら」と期待を込める。
開催時間は10時~17時。入場無料。葛尾村の特産品「凍み餅」づくりのワークショップは参加費500円。