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印刷博物館で名著誕生展 バチカン所蔵の中世写本8点を世界初公開

ルクレティウス「物の本質について」(1483年、バチカン教皇庁図書館蔵)。天地創造を描いた豪華な彩色装飾が圧倒的な存在感を放つ

ルクレティウス「物の本質について」(1483年、バチカン教皇庁図書館蔵)。天地創造を描いた豪華な彩色装飾が圧倒的な存在感を放つ

 印刷博物館(文京区水道1)で4月25日、企画展「名著誕生展 バチカン教皇庁図書館3+」が始まる。主催はTOPPANホールディングスが運営する同館とバチカン教皇庁図書館。

ガリレオが宇宙を見た望遠鏡が、ここに

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 同館とバチカン教皇庁図書館が2002年、2015年に続いて開催する第3弾。世界初公開のバチカン所蔵中世写本・初期刊本8点を含む計66点で、人類の知の歩みを名著と印刷技術の関係から紹介する。

 学芸企画室長の中西保仁さんは「今回の交渉でこだわり抜いたのは作品の希少性で、過去2回に引けをとらない名著を借りることができた。バチカンとの文化交流を展覧会の中で紹介するなど展示資料以外にも魅力が盛りだくさんなことから、3の後にプラスと付けた」と話す。

 展示は3部で構成。第1部「はじまりの名著」では、アウグスティヌス「神の国」(1467年)やルクレティウス「物の本質について」(1483年)など色彩豊かな写本や印刷本を公開。第2部「近代の名著とは」には、ガリレオの望遠鏡(複製)やパスカル「瞑想録(パンセ)」初版(1670年)、アンリ・ベクレルの直筆実験ノートなどが並ぶ。第3部「これも名著?」では、ニーチェ「ツァラトゥストラはかく語りき」(1893年)など近現代の名著を収録する。

 中西さんが特に推薦するのが、第1部のルクレティウス「物の本質について」。中西さんは「古代ローマの作品でありながらキリスト教布教により中世には忘れられ、15世紀のルネサンス期に修道院で再発見された。一文字ずつ、挿絵一点ずつが工芸品と呼べるほど見事な書物で、総合芸術としての手書き写本の美しさを、ぜひ楽しんでほしい」と話す。

 今回はデカルト「幾何学」やニュートン「プリンキピア」も展示する。中西さんは「展覧会のコンセプトは『名著を支えた印刷出版の技』。数式を活字で組めたおかげで科学が発展した。もし数式組み版がなかったならば、AI時代と呼ばれる現代の革新的な進歩もなかったのでは」と話す。

 会期中の土曜・日曜・祝日には、館内の「KOISHIKAWA XROSS」VRシアターでシスティーナ礼拝堂の特別上映を実施。全長20メートルの大型曲面スクリーンでミケランジェロの天井画を16K超高精細映像で体感できるようにする。

 観覧料は、一般=1,000円、学生=500円、高校生=300円。中学生以下・70歳以上は無料。月曜休館(5月4日・7月20日は開館)、5月7日も休館。7月20日まで。

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