文京・湯島の文化庁国立近現代建築資料館(文京区湯島4、TEL 03-3812-3401)で12月3日から、企画展「みなでつくる方法─吉阪隆正+U研究室の建築」が開催されている。
吉阪隆正は、早稲田大学理工学部建築学科を卒業後、1950(昭和25)年から2年間、近代建築の巨匠ル・コルビュジエのパリのアトリエで活動した経験を経て建築家として開花。帰国後、吉阪研究室(後にU研究室と改組)を創設し、住居・学校建築・市庁舎・まちづくりなどを手掛けた。
同氏が提唱した「不連続統一体‐DISCONT」は、Discontinuous Unity の略語で、模型と図面を囲んでディスカッションを重ねながら、形を決めていく集団設計方法のこと。吉阪と、同氏の活動に共鳴した若者で構成された「U研究室」は、この方法で多くの建築作品を生み出した。
同展では、「不連続統一体-DISCONT」を「みなでつくる方法」と捉え直し、この思想をもとに「ことば」と「かたち」が対話しながら形姿をつくり出すプロセスを、同館に収蔵された約8500点の図面やスケッチ、言葉、写真などで構成した4つのゾーンで紹介する。吉阪と同研究室の方法は、分業化がますます進みつつある現代建築においても有効な建築の社会的役割を示唆している。
会期中、シンポジウムやギャラリートークの開催を予定している。詳細は同館のウェブサイトで確認できる。
開館時間は10時~16時30分。休館日は、12月13日と、同29日~来年1月3日。企画展のみの入館は入館無料(平日のみ)。都立旧岩崎邸庭園と同時観覧の場合は同園から入館し、旧岩崎邸庭園の入園料(一般=400円)が必要となる。来年3月13日まで。