文京区の護国寺(文京区大塚5)で7月9日・10日、年中行事の「四万六千日(しまんろくせんにち)」が行われた。
「四万六千日」とは、この日に参拝すると4万6000日(約126年)参拝したと同じ功徳が積めるという、特別な縁日のこと。古くは江戸時代の享保年間から、浅草の浅草寺(台東区浅草2)で開かれているものが有名だが、護国寺でも西暦(昭和2)年には開かれていたことが同寺の記録から分かっているという。
護国寺の僧侶・真光さんは「『縁日』とは、本来仏さまとご縁を結ぶ日のこと。護国寺では毎月18日が縁日となっているが、四万六千日はその中でも最大のもの」と話す。
当日は終日に渡って本尊が開帳され、本堂で法要が行われた。江戸期に由来するとされる「雷よけ」のお守りも授与もされ、雨天や猛暑に見舞われながらも途切れなく人が訪れていた。
同寺は、1681(天和元)年に江戸幕府の5代将軍徳川綱吉が、生母である桂昌院の願いを受けて創建したとされる。元禄時代に建立された本堂、1928(昭和3)年に移築された月光殿は、ともに国の重要文化財に指定されるなど、多くの文化財を有している。三条実美、山県有朋、田中光顕、大隈重信など著名人の墓所としても知られている。
期間中は参道に露天や朝顔の販売屋台が立ち並び、訪れた人は足を止めて夏の雰囲気を味わっていた。