学童保育所「ツリー・アンド・ツリー本郷真砂」(文京区本郷4、TEL 03-5615-8893)で7月29日、「絵画体験 いろいろな夏の花を描こう!」が行われた。
同区内で街並みや四季の植物を描くワークショップを開催しているイラストレーターの塔野藻裳さんを講師に招き開いた同イベント。
「地域のシニアから大学生まで多様な世代の人と交流することを通して、地域の中で育つ豊かさを創る」ことを掲げる同施設では、これまでも地元商店の店主による「和菓子作り体験」や大学生との「ジャグリング体験」、地域の高齢者との「囲碁体験」などさまざまなイベントを開いてきた。地元の連携の取り組みが好評を得ており、今回の企画もその一環。
イベントでは塔野さんが「自由研究の題材にも」と話すように、絵を描き始める前にアサガオ、ヒルガオ、ユウガオ、ヨルガオの葉の形の違いをクイズ形式で観察。見た目が大きく異なるユウガオがウリ科であること(そのほかはヒルガオ科)や、自分たちが普段食べているかんぴょうの原料となっていることなどを伝えると、子どもたちからは驚きの声が上がった。
宇宙飛行士の山崎直子さんが国際宇宙ステーション(ISS)内で種子を保管し、持ち帰ったという「宇宙アサガオ」の花の写真も披露され、朝と夕方で花の色が変化したり、花の形が変化したりするアサガオの「突然変異の不思議」にも触れた。
イベントには同施設に通う地元の小学生10人が参加。塔野さんから色の塗り方などを教わりながら、ヒマワリやアサガオ、ホタルブクロ、ホオズキなど思い思いの花を画用紙やはがきに描いた。子どもらの絵に「ホオズキの実が下からだんだんと赤くなっていくのが色使いで表現できている」など、講師の塔野さんが驚かされる場面も見られた。
塔野さんは子ども向けだけでなく、区民や観光客に向けた絵画イベントも行っており、今月23日には街歩きをしながら絵を描く「本郷菊坂街あるき&絵てがみ」を開催した。
「季節を感じられる街並みや植物を描くことを通して、この街に生きているという実感を得られる。絵を描くことが、日常に目を向け、いろいろな人の暮らしを潤すきっかけとなれば」と塔野さん。9月には秋の植物、10月には谷根千のまちをテーマにイベントを予定している。