文京・湯島の天澤山麟祥院(文京区湯島4)で12月3日、地域の交流イベント「おてらあそび」が開かれた。
左から千石の高浜さん、発起人の大道寺さん、天澤山麟祥院の和尚さん、湯島小PTA会長の高橋さん、龍岡会の鈴木さん
子育て世代を中心とした地域の人々がより日常的につながる機会づくりとして、同地域の活性化に取り組む「ゆしまごころ実行委員会」が開いた同イベント。路上を遊び場として活用する「みちあそび」活動団体の協力を得て今春に行ったイベント「桜の下の路上あそび」の継続を検討していたところ、同院から会場提供の申し出があったことも契機となり、「おてらあそび」の企画が生まれた。
同企画に賛同した民間学童・AEL湯島をはじめ、複数の町会、地元・湯島小学校のPTA、同父親の会、東京こども専門学校の学生ボランティアなどの協力も得て、実施に至った。
当日は、「湯島ベーゴマまわす会」によるベーゴマブースのほか、路上落書き、松ぼっくりを使ったクラフト、スラックラインの記録会、シャボン玉遊びなどが同院の境内と前道に用意され、多くの親子連れなどでにぎわった。
発起人の大道寺勇人さんは、「何でもないスペースが、芝マットを敷いて遊び道具を置くことで子どもの遊び場に変身した。大人と子どもが一緒にシャボン玉遊びで試行錯誤したり、子どもの遊びを見守る大人同士に自然な会話が生まれたりするなど、見知らぬ人同士が世代を超えてつながれる場をつくれるのが『みちあそび』の魅力」と話す。「程よい規模感と柔軟な運営を心掛けたおかげで、いい意味で主催者とお客さまという区分けが曖昧になり、最後は大人も子どもも一緒になって掃除に取り組む場面も見られた」とも。
徳川三代将軍家光の乳母・春日局(かすがのつぼね)の菩提(ぼだい)寺として知られる同院。子ども向けのイベントは今回が初の試み。「『近年こんなに多くの子どもがお寺にきたことはない』と同院の方にも大変喜んでいただけた」と大道寺さん。「保護者同士で周囲の安全を確保するなど、工夫次第でより身近な運営も可能になりそう。今回のイベントをきっかけに築いた地域の関係性が、次回のイベントにつながれば」と期待を込める。