文京・本郷の旅館・鳳明館 森川別館(文京区本郷6)で2月11日、地域交流イベント「みんなで文京まちたいわ」が開催された。「文京まちたいわ」フェス2018実行委員会の主催。
「文京まちたいわ」とは、区内大学のゼミや企業、地域活動団体などの30余団体と有志の個人を含む同区を拠点とした地域活動に携わる人たちが、まちで実現したい事や困り事を共有し、活動者間のコラボレーションの基盤となることを目指してつくられたオープンなネットワーク。そのネットワークの参加者が一堂に会してリアルに対話できる機会として企画された同イベント。2月10日の「文京映画祭にみんなで参加しよう!」、同12日のオンライン・イベント「公開!とりたてプレイバック&展望トークfor 2019」を含む全3日間のフェスの軸となるプログラムとして行われた。
会場内には、千石地域で展開している「おもちゃ図書館」の出張もあり、幼児からシニアまで60人を超える参加があった。
第1部は「文京まちたいわとは」と題し、エンパブリック代表の広石拓司さんを聞き手に、同ネットワークを生かした取り組みの発表があった。
子どもの居場所づくりとして「さきちゃんち」を運営する傍ら「文京映画祭」の開催にも取り組んだ八木晶子さんは「日々の活動への手助けのほか、イベント集客や予約システムなどについてのアドバイスをもらうなど、ネットワークからの情報が役立った」と話した。
認知症の人や家族、支援者を含む一般の人がリレーで一つのタスキをつなぎゴールを目指すイベント「ラン伴」の実行委員を務めるケアワーク弥生(ユアハウス弥生)の金山峰之さんは、「(同ネットワークの)定例会で話したことがきっかけで、本年度の『ラン伴』では区内全域でタスキをつなぐ大きな流れを作れた」と話した。
会場を提供した鳳明館社長の小池邦夫さんからは、地域活動の場として活用されたことへの喜びとともに、同館の3つの特徴「純日本建築・和」「職人の遊び心」「昭和レトロのインテリア」が紹介された。
第2部では、歴史ある同旅館を舞台に地域活動で生かせることは何かを探るアイデアソン「地域×旅館」が行われた。4チームによる競技で、「外国人観光客と地元住民の交流」「鳳明館をオフィスとして活用した、まちの(課題解決の)代理店」「鳳明館を拠点に本郷の街を巡る大人の社会科見学」「合宿型のカルチャーセンター」などの提案があった。小池さんとおかみ心得の大曽根美代子さんは「力作ぞろい。どれも実現させたい」と口をそろえた。社長賞として特製Tシャツなどの賞品も贈呈し、にぎわった。
同イベントの実行委員長を務めた都丸光子さんは「(文京まちたいわは)普段はそれぞれの活動をしつつ、お互いをリスペクトし合い、情報共有、定例会などで支援し合う関係。いつも新たなメンバーを歓迎している」と期待を込める。