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iPadアプリを使って絵本づくり 小石川図書館で児童向けワークショップ

参加児童に操作説明をする講師の朝倉民枝さん

参加児童に操作説明をする講師の朝倉民枝さん

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 文京・小石川図書館(文京区小石川5)で2月25日、小学生を対象に、iPadアプリを使った絵本づくりのワークショップが開催された。

絵本を紹介する朝倉さん

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 講師は、タブレット上でパーツとなるイラストや図形を指で動かし配置するだけでオリジナルの絵本が作れるアプリ「ピッケのつくるえほん」の開発者・朝倉民枝さん。絵本の装丁や配色の話、操作説明などの後、参加児童は多くの保護者も見守る中で制作を体験。朝倉さんが「お話を誰に届けたいか、絵本をプレゼントする相手を決めてから取り組んで」と呼び掛けると、会場からは「おかあさん」「いとこ」「学校の友達」など思い思いの声が上がった。

 伝えたい相手に向けた物語を考え、4見開き分の画面を創作し、物語を録音するまでの工程を終え、全員の作品をプロジェクターで鑑賞。その場で印刷されたデータを小さな絵本に仕上げて持ち帰った。

 「ごっこ遊びに始まり、生活のさまざまな場面で発せられる、子どもたちが創る物語。その物語をデジタルメディアの力で外に取り出し、他者と分かち合う経験を踏むことで子どもたちは創る喜びを実感し、自己肯定感を高める。その手伝いがしたくて、このアプリを開発した」と朝倉さん。「今回のようなワークショップは、人前で発表する体験や認められる喜び、他の人の作品に触れられる利点がある。一方、限られた時間内では表せなかった物語をちゃんと形にする機会をつくってあげたい思いも残る」とも。

 企画協力した文京アートプロジェクトの小松さんは「子どもたちにとって図書館は地域のサードプレイス。大好きな物語や作品と出会う場であるだけでなく、その日の思いをつぶやいたり、それを形にしたりする機会を作れたらもっといい。その一端として『ピッケの時間』を展開できないかとの思いも込め、まずはこのワークショップの楽しさを体験してほしいと提案した」と話す。同プロジェクトではワークショップのサポーター育成も始めている。

 朝倉さんは「家庭と学校(幼・保園)、そして地域の3つが緩やかにつながり、多様性にあふれた社会全体で子どもたちを育てていければ理想」と期待を込める。

 館長の山田万知代さんは「(図書館が)本を読むだけでなく読んで考えたことを表現・発表する場、それによって人とつながりを持てる場になれたらと願って企画した。今後も形を変えて、本と人をつなぐイベントを行っていきたい」と意気込む。

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