秋の特別企画展「上水記展 没後220年『上水記』の著者・石野広通」が10月31日から、東京都水道歴史館(文京区本郷2)で開催される。
「上水記」は江戸時代に作られた全10巻から成る水道の記録。東京都指定文化財(古文書)として同館に保管されており、毎年1度、企画展として公開している。著者・石野広通の没後220年に当たる今年は、石野の生涯と功績にスポットを当てて紹介する。東京都水道局が昨年、12月1日を「東京水道の日」に制定したことにちなみ、中島鋭治博士や外国人技師らを紹介する「水道歴史展~東京の近代水道の立役者たち」も同時開催する。
同館広報担当の河合洋介さんは「上水記は、3部作られたうちの1部は時の将軍11代家斉に献上され国立公文書館が所蔵し(欠本あり)、もう1部は老中松平定信に進呈され所在不明となっている。欠本のない状態で東京都水道局保有の1部を見ることができるのは興味深い」と話す。
河合さんは「自身も文京区民の一人」といい、「絵図面には神田川や水道橋などのなじみ深い地名もあり、現代に置き換えるとどこに水道管が通っていたかなどが分かる。地域の身近な文化財を知ってもらう機会にできたら」とほほ笑む。
開館時間は9時30分~17時(最終入館は16時30分)、入場無料。第4月曜休館。11月8日まで。