アートギャラリー「Ohshima Fine Art(オオシマ・ファイン・アート)」(文京区本駒込4-33-10)が1月30日、文京・本駒込にオープンした。
本駒込図書館に隣接した公園向かいのガレージを改装した同ギャラリー。内壁の設置やペンキ塗装などは全て主宰の大島義之さんが手掛けた。「水道橋から移転先を探し、縁あってこの場所にギャラリーを構えた。閑静な住宅地にあって、向かいの公園と図書館からは子どもの声が響く、住民が普通に暮らす生活の場。アートが日常と共にありたいというわれわれの思いと合致する最適なロケーション」と話す。
現代アートのコマーシャルギャラリーとして「キャリアや年齢などに関係なく、地に足のついた創作を続ける作家と向き合っている」という大島さん。「現代はインパクトの強い方に引かれて色んなことを短時間で理解しようとし、繊細なモノは見過ごされがち。美しいものや本当に価値あるものは、なかなか言葉にし難い。その繊細で見過ごされがちな、言葉にできない創作に注目している」とも。
オープン初となる 展示は、同ギャラリー所属作家の玉川宗則さんの個展。玉川さんは「井の頭公園を拠点に創作活動を続けてきた、いわゆる美術教育を受けていないアール・ブリュットに属する作家」で、「曼荼羅(まんだら)」をイメージした最新作を含め約30点を展示している。玉川さんは「今までの自作を寄せ集めたら曼茶羅のようになるのではと気づき、自分だけの曼荼羅で絵描きとしての集大成のような『宇宙空間』を出現させたいと大作に挑戦した」と話す。「制作の原点が井の頭公園での『人との関わり』で、そこから始まった創作人生の一つの締め括りとして今回の『両界曼荼羅(りょうかいまんだら)』に結晶したと確信している」とも。
『両界曼荼羅』は9点からなる組作品だが、1点から販売する。「それぞれが別のオーナーの手に渡るというのも曼荼羅の面白さ」と大島さん。「日常生活の延長でふらりと立ち寄っていただき、作品との良い出会いにつながれば」とほほ笑む。
営業時間は13時~19時。日曜・月曜・火曜・祝日休業。2月20日まで。