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目白台の「和敬塾」で伝統産業と現代アートがコラボ 「江戸東京リシンク展」をオンラインで

「江戸東京リシンク展」3事業者とのコラボ作品の前で、舘鼻則孝さん

「江戸東京リシンク展」3事業者とのコラボ作品の前で、舘鼻則孝さん

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 オンライン展覧会「江戸東京リシンク展」が3月に開催されることが決まり、メディア向け内覧会が2月2日、目白台の旧細川侯爵邸「和敬塾」(文京区目白台1)で開催された。

和敬塾

 アーティストの舘鼻則孝(タテハナノリタカ)さんがディレクターを務め、現代アートと伝統産業のコラボレーションによる新たな価値を伝える同展。東京都が手掛ける伝統産業の世界発信事業「江戸東京きらりプロジェクト」の一環で行われる。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020(令和2)年春のリアル開催が中止となり、このほど新たにオンラインでの開催が決まった。

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 内覧会で先行公開された作品は、同プロジェクトのモデル事業者と舘鼻さんがコラボレーションした3点。「小町紅 伊勢半本店」、「東京くみひも龍工房」とは、それぞれ「ヒールレスシューズ」を製作した。「ヒールレスシューズ」は、花魁(おいらん)の高下駄から着想した作品で、歌手レディー・ガガさんが履いたことでも知られる舘鼻さんの代表作。

 1825年創業の紅(べに)製造・販売の伊勢半本店と組んで製作したシューズは、江戸時代から続く秘伝の製法による紅で革を染めた。舘鼻さんは「(染料は)水を含んだ状態では紅色だが、革を染めて乾かすと玉虫色に発色する。塗布する素材によっても変色するその染料を、どうすれば玉虫色に保てるか、実験を重ねた製作過程は自分との闘いだった」と振り返る。

 1963(昭和38)年創業の龍工房の伝統組みひもを貼り合わせて製作したシューズは、調色して絹糸を染める工程からのオリジナル。200メートル程のひもに2400個程の結びこぶを施した組みひもは、龍工房の福田隆太さんが手掛けた。

 1783年創業の「刃物うぶけや」とのコラボレーションは、雲をモチーフとしたボイドスカルプチャーと呼ばれるアクリル彫刻作品。ハサミの形状を3Dスキャンしてデータに置き換えてアクリルを削り出した中に現物のはさみを封入した。

 壁面には「和敬塾のサイズに合わせて製作した」という雷をモチーフにした作品も展示している。舘鼻さんは「雲は生と死の境界線、雷は結界を表すモチーフ。紙垂(しで)としめ縄が雲と雷を表すことや、紅色が神社の鳥居の色であることなどと重ね、(これらの作品には)親和性のあるモチーフとストーリーが共存している」と話す。

 都指定有形文化財である和敬塾は、昭和初期(1936年)に建てられた代表的な華族邸宅。オンライン展覧会では、3作品に加えて他の伝統工芸事業者の歴史的資料なども紹介する。各部屋の様式を生かした展示構成により、「空間の魅力と共に作品を楽しめる」と舘鼻さん。

 オンライン展示会は3月上旬開催予定。

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