文京総合福祉センター(文京区小日向2)は現在、200匹のこいのぼりを空に泳がせている。
展示しているのは同センター3階「子育てひろば」の渡り廊下から望む吹き抜け部分。こいのぼりは、同センター内にある障がい者支援施設「リアン文京」の「鯉(こい)のぼりプロジェクト」による作品。同施設を利用する重度障がい者など20人ほどが日中活動として取り組んだ。
職員の井上良子さんは「例年、散策やドライブをしながらいろいろな場所にこいのぼりを見に行っていたが、コロナ禍で外に出ることができない状況が続いている。何気ない会話の中で『今年も見に行けそうにないね』とつぶやいたところ、利用者の一人から『こいのぼり作っちゃえば?』との一言があり、プロジェクトがスタートした」と話す。「寄付していただいたカラフルな端切れで、何かこのコロナ禍に元気になるようなものを作ろうと考えた」とも。
職員の遠藤宗さんは「カラフルな柄の布を自分たちで選び、魚の形に切って、目玉を貼り付けたり、小さく切ったうろこを接着剤で貼り付けたり、はさみで穴を開けてみたりと、それぞれが思う『魚』のイメージを自由に作り上げた」と振り返る。「3月下旬からコツコツ取り組み、最初は数匹だったこいのぼりがいつの間にやら200匹に」とも。
井上さんは「日に日にこいのぼりが増えていき、青空に泳ぐのを利用者と一緒に眺めて楽しんだ」とほほ笑む。「こいのぼりプロジェクトの後は、梅雨にちなんで、透明のプラスチック素材を使った色とりどりの傘の制作を企画している」と井上さん。
展示は近隣住民からも好評で、当初5月中だった展示予定を6月11日まで延長した。