絵本などの児童図書を扱う出版社「福音館書店」（文京区本駒込6）が2月1日、創立70周年を迎えたとともに、「絵本と子育て」をテーマにした創立70周年第1弾企画「こどものとも0.1.2. リクエスト復刊」の募集を始めた。

1950年代の石川県金沢福音館書店の様子（提供：福音館書店）

　同社が1995（平成7）年4月の創刊以来、300点以上の作品を世に送り出した月刊絵本「こどものとも 0.1.2.」の中から、復刊を希望する作品を募集する。

　「こどものとも0.1.2.」は、「限られた『ことば』『生活』『体験』の中で生きる赤ちゃんに、絵本の楽しさを毎月届ける」をコンセプトに、生後10カ月から2歳ごろまでの乳幼児に向けて出版した。ハードカバー版としてあらためて刊行された作品以外は手に取ることができなくなる。これまでにも「あの絵本をもう一度読みたい」「子どもが気に入っているのでぜひ復刊してほしい」などの要望が多かったという。同企画では、読者のリクエストを基に3作品を今年9月に復刊する予定。

　同社は1952（昭和27）年2月1日、受験用問題集やキリスト教会向け冊子などの製作・販売を手掛ける「金沢福音館」から、出版部門を独立させる形で、金沢市で創立した。同年8月に東京に移転後、1953（昭和28）年に月刊誌「母の友」を、1956（昭和31）年に月刊絵本「こどものとも」を創刊した。1984（昭和59）年1月から現在の文京区本駒込に社屋を置いている。

　同社宣伝課の岡﨑健浩さんは「これまで数多くの方に弊社刊行物を愛読いただいたおかげでこの日を迎えられ、感謝の気持ちでいっぱい。これからも出版活動を通じて、子どもたちの心に深く残る一冊を届けていきたい。70周年を祝う特別企画に、ぜひ皆さんの赤ちゃん絵本との思い出と共にご参加いただければ」と話す。

　リクエストは、同社特設サイトから復刊を希望する作品を選び、作品にまつわるエピソードやコメントと共に投稿する。応募者のうち10人に抽選で復刊した絵本3冊セットを進呈する。

　選ばれた作品は、5月中旬に同社サイトで発表する。応募受け付けは3月31日まで。