「らーめん一信本郷店」(文京区本郷5)が6月23日、13年8カ月にわたる営業に幕を下ろした。
東京大・赤門前の本郷通り沿いに店舗を構えていたが、建て替えによる立ち退きで閉店を余儀なくされた。鳥取県産の銘柄「大山鶏」を使った「ダブルスープ」が評判で、学割制度の導入などもあり、同大の学生を中心に多くの常連客がいた。
同大の卒業生でもある店長の安東正憲さんは、学生時代にアルバイトをしていた駒場東大前駅近くの『山手ラーメン』(渋谷区富ケ谷2)に卒業と同時に就職し、13年前に同店の2号店『らーめん一信本郷店』の店長となった。
「昼の時間帯の週1回だけという条件でも、アルバイトを希望する学生は積極的に採用し、まかないも提供した」と安東さん。「卒業してアルバイトを辞めた学生が社会人になって食べに来たり、結婚報告に夫婦で来店してくれたりと、学生との思い出は尽きない」と話す。「卒業後も店を慕ってくれる人がいるのに店を閉じるのは寂しい」とも。
安東さんは「東大の近くで出店場所を探したが、条件に合う物件がなかった。7月からは『山手ラーメン』の調理場に立つ予定」と話す。