大塚地域活動センター(文京区大塚1)のオープンスペースで11月8日、海外進学をテーマにした海外大学入門講座「留学へのはじめの一歩『海外留学のリアルを知ろう』」が行われた。会場とオンラインをつなぎ、文京区出身で現在アメリカとドイツの大学に通う大学生3人が登壇し、中高生や保護者らに自身の経験を語った。
企画したのは、中高生の進路支援に取り組むNPO法人「みんなの進路委員会」と大塚地域活動センターオープンスペース。進行役を務めた同NPOの谷村一成理事著長は「海外進学が『特別な一部の人のもの』ではなく、いろいろな家庭や学校から選べる進路になってほしい」と呼びかけた。
当日は、米コロンビア大学で金融経済学を学ぶ芝雄太郎さん、カリフォルニア大学バークレー校に通う小池修平さん、ドイツのテュービンゲン大学で計算言語学を学ぶ横山大和さんの3人がオンラインで参加。いずれも文京区で育ち、国内の中学・高校を経て海外大学へと進学した。
芝さんは、中高一貫校での激しい競争や、慶応義塾大学在学中にうつ病を経験した過去を明かした上で、コミュニティーカレッジ(2年制大学)を経てコロンビア大学への編入に挑戦した経緯を紹介。「留学の一番の良さは、『自分が自分でいられる世界に出合えたこと』」と話し、「失敗を恐れず挑戦できるようになったのは、幼い頃から『あなたならできるよ』と背中を押してくれた家族の存在が大きい」と保護者世代に向けたメッセージも伝えた。
高校時代を「学年最下位の落ちこぼれ」で過ごしたという小池さんは、カナダでの語学留学で出会った留学生からコミュニティーカレッジ経由の進学ルートを知り、帰国後は中学英語から学び直して渡米。コミュニティーカレッジでは全科目最高評価を取り、奨学金を得てバークレー校に編入した。「正しい情報と正しい努力があれば、世界トップレベルの大学も現実的な選択肢になる」と語った。
講座の後半では、参加者から募った質問に3人が答える時間も設けた。谷村さんは「海外進学に興味がある中高生だけでなく、『子どもにどんな選択肢を見せられるか』を考える保護者にも、この場がヒントになれば」と話す。
次回は12月13日13時30分から、より具体的なステップを学べる講座をオンラインで開く。