ホテル椿山荘東京(文京区関口2、TEL 03-3943-1140)が5月19日、地元文京区の小学生72人と保護者ら108人を招待し「ほたる観賞会」を開催した。
同ホテルでは、2000年より専門家の指導の下、庭園に湧き出る地下水を生かした環境整備を行い、ゲンジボタルが産卵から飛翔(ひしょう)まで生息できる環境づくりに取り組んでいる。毎年1月には、文京区の小学生の総合学習の一環として「ほたるの幼虫放流式」を開催。今年は林町小学校(千石2)と小日向台町小学校(小日向2)の児童らが参加し、2校で約1000匹のゲンジボタルの幼虫を放流した。
当日は1月に幼虫を放流した児童らが同ホテル庭園内のホタル沢やビオトープで、成虫となって光り舞うゲンジボタルを観賞。19時を過ぎからぽつぽつとゲンジボタルが舞い始め、児童らは「あっ、いた」「きれい」「放流したホタルかな」などと話しながらひとときを過ごした。
同ホテルでは、2010年からゲンジボタルの幼虫が上陸してから1日の平均気温を積算していき、500度に達したときに蛍の初飛翔が観測できるという「ホタル初飛翔の500度説」を検証も行っている。
これまでの初飛翔確認日は、2010年=5月18日(積算気温497度)、2011年=5月19日(積算気温498度)、2012年=5月17日(積算気温489度)、2013年=5月17日(計器故障のため欠測)、2014年=5月18日(積算気温521度)、2015年=5月16日(626度)。昨年を除き、ほぼ500度説に基づいてゲンジボタルの初飛翔が観察されていると同時に、初飛翔は5月16日~19日で推移していた。
同ホテルによると、今年は4月8日にゲンジボタルの幼虫の上陸、5月10日に初飛翔を確認。積算気温は568度で「ほぼ実証成功」という。今年は初飛翔が早かったため、「ゲンジボタル飛翔のピークは5月下旬ごろ」とも。
ゲンジボタルの飛翔に合わせて現在、同ホテルでは「ほたるの夕べ」として、期間限定の宿泊プランやディナープランなどを提供している。6月30日まで。