東京大学(文京区弥生1)とメリーチョコレートカムパニー(東京都大田区)は、同大樹芸研究所(静岡県賀茂郡南伊豆町)で育成する日本産の希少種「東京大学カカオ(通称:東大カカオ)」を使った商品開発を進めることを発表した。
東京大学の鴨田重裕准教授(左)と、メリーチョコレートカムパニーの吉田宏社長(右)
同研究所は地熱を利用した温室で、約70年にわたって熱帯・亜熱帯の植物を栽培している。このうち実をつけるカカオは2本あり、樹齢50年程度のフォラステロ種のカカオからは年間80個前後の実が収穫できる。この実を使った商品化に向けて、安定的生産システムの構築や発酵に関する研究を共同で行う。
東大カカオはポリフェノールの含有量が多く、渋みと酸味が強い「赤ワイン」のような味と、スパイシーさとフルーティーさが残る後味が特徴。
今後のスケジュールについては、今年3~4月に収穫したカカオの実を使って商品開発を進め、今秋にも同大内のショップで発売する予定。同社の吉田宏社長は「製品化に当たっては、日本産カカオという点を前面に出し『チームJAPAN』のチョコレートとして市場に出していきたい」と話す。