文京区役所(文京区春日1)で6月23日、文京区と文京学院大学が災害弱者となりうる外国人対応を重点項目とした「災害時における相互協力に関する協定」を締結した。
同大が今年3月に発行した外国人向けの「地震 防災マニュアル」(英語版・中国語版)がきっかけとなり、締結された同協定。同マニュアルは、同大の留学生たちの「地震が起きた時に、まず何をすればよいのかが分からない」という声から、コンセプトを地震発生から初期行動5分間に設定し作成したもの。日本在住の外国人70人へ地震についてのアンケート調査を実施するなど、外国人の地震への意識を明らかにしながら情報を精査し、最低限の情報を掲載した防災マニュアルとなっている。
今回締結した協定では、文京区地域防災計画に基づいて、災害発生時に帰宅困難者の安全確保のため、同大本郷キャンパスの一部施設を提供することが盛り込まれたほか、外国人対応に重点を置く。
言語や文化の異なる外国人でも安全かつ安心に行動を起こせるよう、同大では災害発生時にキャンパス内の施設表示を多言語対応するほか、日常会話程度ができる大学の教職員、留学生などをボランティアとして各施設へと派遣する。日頃から外国人の防災意識向上を図ることを目的に、今年3月に制作した同マニュアルも今月末から同区の防災課窓口や戸籍住民課窓口、各地域活動センター窓口9カ所で配布する予定。
同区では、災害弱者となりうる外国人対応に重点を置いた協定を結ぶのは、今回初めてとなる。