9月30日で閉業する銭湯「菊水湯」(文京区本郷4)にお世話になったという東大生有志が現在、「さようなら菊水湯プロジェクト」を立ち上げ活動している。
明治中期の創業という同銭湯は、井戸水をまきで沸かしている数少ない銭湯の1つ。周辺の低層木造住宅の残る街並みに、煙突がそびえ立つ同銭湯の姿は街のシンボルにもなっていたが、9月末日をもって閉業が決定した。
日頃から菊水湯にお世話になっていたという東大生の長濵幸大さんは「研究やバイトの合間など、週に何度も通うような日常に寄り添った銭湯だった」と振り返る。今年8月に今回の閉業を知り、有志でプロジェクトを立ち上げたという。
現在は、「今月末の閉業までに多くの人に菊水湯に足を運んでほしい」と、ホームページやツイッターのほか、長濵さんが代表を務める「東大美女図鑑」とのコラボ企画などを通じ、来湯を呼び掛けている。「街から失われつつある銭湯文化を保存していくこと」を目的に、ホームページとツイッター、同銭湯の脱衣所に設置したノートで菊水湯にまつわるエピソードやメッセージ、銭湯のある暮らしの思い出なども募集している。
同プロジェクトメンバーの森山剛志さんは「現在は活動の中心が学生。今後は地域の方とも連携しながら、より幅広い層の方から菊水湯に関する思い出やエピソードをアーカイブするという活動をしていきたい」と話す。
長濵さんは「菊水湯の営業は残すところあと5日。1人でも多くの人に菊水湯と銭湯の良さを知ってもらいたい」と呼び掛ける。
営業時間は、15時30分~翌1時。金曜定休。入湯料は、大人(中学生以上)=460円、中人(小学生)=180円、小人(未就学児)=80円。