東洋大学白山キャンパス(文京区白山5)で7月7日、「ボランティアフォーラム2017」が開催された。
同大は開校130周年を迎えたことを機に、大学の持つ人的・知的資源を必要とする地域社会へ届ける活動の一環として4月1日、「ボランティア支援室」を開設した。そのオープニングイベントとして開いた同イベント。社会貢献活動に取り組む学内外17団体が活動紹介や意見交換を行った。
「卒業生が語るボランティア活動の魅力~ボランティアと就活・就職」と題したシンポジウムでは、社会で活躍中の卒業生3人が登壇。国内・海外95カ国でワークキャンプなどを行う国際ボランティア団体NICEで事務局長を務める井口育紀さん(国際地域学科卒)は「地域に入って、動いて、人に触れてほしい。楽しむことで学業プラスアルファが人格形成につながる。失敗を恐れないで」と学生に呼び掛けた。
文京区社会福祉協議会・地域福祉コーディネーターの浦田愛さん(社会福祉学専攻博士課程)は「学生から就職相談や人生相談を受けるが、ボランティア活動経験が就職に役立った例も見ている。合格の報告を受けた時はうれしかった」と話す。
山谷地域でホームレスや生活困窮者支援に取り組む山友会理事の油井和徳さん(社会福祉学科卒)は「人工知能が人を超えてしまうと言われ、個々人の価値観もさまざまな昨今。自分一人が動いてもどうせ世の中は変わらないと諦めてしまう人もいるが、安定しない世の中だからこそ、やろうと思ったことができる。どんな夢を見たいか」と期待を寄せた。
会場では就活を終えた学生から「もっと早い時期にこのような活動やイベントがあれば良かった」という声も上がった。同支援室長の森田明美さん(同大社会学部教授)は「まさにこのような場や(支援の)仕組みが社会に求められている。学生時代だからこそできるボランティア活動もある。活動経験は全て自分のものになる、それを実感として味わってほしい」と結んだ。