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文京で銭湯ミュージアム「6人の作家展」 開催記念で作家のアートトークも

文京浴場組合支部長の岡嶋登さん(左)とアートトークに登壇した作家陣

文京浴場組合支部長の岡嶋登さん(左)とアートトークに登壇した作家陣

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 文京区大塚の銭湯「大黒湯」(文京区大塚3)で10月9日、「文京の湯~銭湯ミュージアム 6人の作家展」の開催を記念したアートトーク「なぜ私は銭湯でアートをするのか」が開かれた。文京浴場組合の主催。

ペンキ絵師・田中みずきさんの発表を聴く作家陣

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 同展は、都内の銭湯や文京区にゆかりのアーティスト6人が同区内の6つの銭湯をギャラリーとして作品の展示や作品制作の実演、体験型ワークショップなどを行うもので、9月30日に始まった。

 トークイベントには、同展の出品アーティストのうち5人が登壇。美術作家の安齋洋さんが手掛けた葛飾北斎を模したタイル絵を背景として浴槽を舞台に行われ、事前申込制で集まった観客らは風呂用椅子に腰かけて、アーティストらの制作過程や銭湯への思いに聞き入った。

 豊川浴泉(目白台1)を舞台にしたポートレート写真をタペストリーにして展示する写真家の橘田龍馬さんは、「(銭湯という)伝統ある場所に飾られたことに感動している。構えて見にいくのではなく、風呂に入ったら作品も見られる、日常の延長にあるのもいい。光が降り注ぐ浴場での展示を、ぜひ多くの人に見てほしい」と話した。

 女性ペンキ絵師の田中みずきさんは、富士山を描いたペンキ絵を歌舞伎湯(小石川3)に展示。田中さんが描いた富士山のペンキ絵の上に子どもたちが好きな絵を描く「子ども銭湯ペンキ絵体験ワークショップ」の様子や、同湯店主の妻が宝塚ファンであることを知って「顔ハメ」用の看板も設置したエピソードなどを披露した。

 同湯の徒歩圏に暮らす参加者の女性は「週1、2回は同湯に通っているが、裸で受けるアートのインパクトはすごい。普段通い慣れている銭湯にアートがぶち込まれた」と驚きを言葉にした。会場には「銭湯ジャーナリスト」のステファニー・コロインさんの姿なども見られた。

 昨今、廃業する銭湯は多く、入浴者も減少傾向にある中、同区の銭湯利用率は向上しているという。同組合支部長の岡嶋登さんは「今回のイベントのように若手が新しい発想を取り入れて盛り上げてくれていることも大きい。同組合ではコスプレにも取り組んでいる」とPRポスターを示して会場の笑いを誘った。

 同展は他に「銭湯ハンコ」作家の廣瀬十四三さんがふくの湯(千駄木5)、「笑文字」作家の齋藤史生さんが白山浴場(白山2)、富士見湯の四季を描いたイラストレーターのマエダヨシタカさんが富士見湯(白山1)でそれぞれ、個展を開催中。12月3日まで。

 入浴料は、大人=460円、中人=180円、小人=80円。

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