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文京・江戸川公園で「路上博物館」 神田川アートブロッサムの一環で

路上で動物の骨のレプリカを展示する森健人さん

路上で動物の骨のレプリカを展示する森健人さん

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 文京・関口の江戸川公園(文京区関口2)などで3月30日・31日、「路上博物館」の展示と実演が行われた。花見に絡めて2014年から毎春開催しているアートイベント「神田川アートブロッサム」の一環。

来場者の質問に答える森さん

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 主宰する森健人さんは、国立科学博物館の支援研究員。花見客でにぎわう公園で、ジャイアントパンダ、ライオン、シマウマなどの骨格のレプリカを展示し、解説を行った。解剖学が専門で、特にほ乳類の骨格に詳しいという森さん。展示したレプリカは、自身で頭骨をスキャンし、3Dプリンターで出力して制作した。

 通りがかりの来場者が展示物を手に取り、肉食動物と草食動物の顎(がく)関節のかみ合わせの違いを実際に動かして確認するなど、通常の博物館とは異なる体験ができるのが「路上博物館」の特徴。森さんは「自然物たる標本との出合いを望みながらも博物館へ行くという発想がそもそも湧かない人々をどうしたら標本とつなぐことができるか。博物館の側から世間に赴くことで、それを解決することができるのでは」と、休日を利用して活動を続けているという。普段は職場近くの上野恩賜公園で開くことが多いが、同イベント実行委員会の声掛けで、初めて同区内の路上での開催が実現した。

 学生時代にコスプレの経験もあるという森さんは、この活動のために特別に用意しているという衣装と自前のひげで人目を引き、多くの来場者が展示を囲んだ。「オオアリクイの骨格はどのようになっているか」という質問に、森さんは「オオアリクイには歯が無く、かむという動作をしないため、他のほ乳類とは顎の筋肉の付き方が大きく異なる。顎を左右に広げて陰圧を作り、舌をすばやく引き込むことができる構造になっている」などと説明した。

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