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東洋学園大学で「リベラルアーツ」学ぶ公開講座

講義を行うサントリー美術館学芸部長の石田佳也さん

講義を行うサントリー美術館学芸部長の石田佳也さん

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 東洋学園大学・本郷キャンパス(文京区本郷1)で5月7日、社会人向け公開講座「領域にとらわれない教養(リベラルアーツ)」が行われた。

「琴棋書画」について解説するサントリー美術館学芸部長の石田佳也さん

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 流山キャンパスを中心に、英語教育や教養教育をはじめとしたリベラルアーツ教育に長年にわたり力を注いできた同大。4年前から拠点を本郷に移す「都心回帰」に取り組み、全学年がそろった本年度、同キャンパスでの初開催となった。

 全4回のオムニバス形式で展開する同講座。初回の5月7日は、サントリー美術館学芸部長の石田佳也さんが講義「遊びの流儀~遊楽図の系譜~」を行った。6月から同美術館で開催する企画展に合わせ、江戸時代の遊楽図にどのように「遊び」や「楽しみごと」が描かれてきたかを資料を交えて解説した。石田さんは「遊楽図は今で言えばアミューズメントで夢のような空間」「若衆ばかりが描かれている風俗図はさながらLGBT的」「江戸時代には『文使い』と呼ばれるメッセンジャーが存在したが、最近はLineが主流か」など、現代の流行に置き換えた講義内容で受講者の興味を誘っていた。

 講義終了時には、「ゲーム開発をしている」「外国人向けの街案内などをしている」「美術館のボランティアをしている」など、さまざまな経歴を持つ参加者たちが、「江戸時代、『旅』は遊びのジャンルに含まれたか」「平安時代の貴族の遊びが江戸時代に庶民に降りてきた経緯は」「『うんすんカルタ』の絵柄の変遷を知りたい」などと質問していた。

 講座を監修する同大人間科学部准教授の澁谷智久さんは「講師とフロアの距離を近くし、対話形式の質疑の機会も多く取れるよう定員を30人程度の小規模にした。社会人が各自の専門領域に関する知識を超えて幅広い教養を学べる機会を創出し、人生をより豊かにする一助になれば」と話す。

 広報室部長の相川徹人さんは「秋には経営者向け講座や、地域の人に向けた趣味講座なども企画している。都心のアクセスの良さを生かして、地域に開いたキャンパスを目指したい」と意気込む。

 公開講座は今後、6月18日=「共生社会への歩み:多文化社会ハワイから得られる学び」、7月23日=「渋沢栄一の『論語と算盤』で未来を拓く」、8月=「『はやぶさ』プロジェクトがわれわれの生活・将来にもたらすもの」を予定する。開講時間は19時30分~21時。参加費は1回1,000円。申し込みは同大ホームページで受け付ける。

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