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文京・伝通院本堂で音楽イベント プロミュージシャンとエンジニアが公開録音

録音する曲のデモ演奏を行うプロミュージシャン

録音する曲のデモ演奏を行うプロミュージシャン

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 プロミュージシャンとエンジニアによる公開録音イベント「遺響残心」が5月26日、文京・小石川の無量山 傳通院(伝通院) 寿経寺(文京区小石川3)の本堂で開催された。

マイクをセッティングするサウンド・エンジニアの安楽さん

 主催は、さまざまなシチュエーションで公開録音を行い、後日完成した楽曲を参加者に届けるという音楽イベントを企画するクリエーター集団「Rev Acoustics Laboratory(レヴ・アコースティック・ラボラトリー、RALab)」。RALabのプロデューサー・登坂亮太(とさかりょうた)さんが、伝通院にゆかりのある淑徳学園淑徳SC中等部高等部で軽音楽部の指導をしていることから企画が持ち上がり、半年の準備期間を経て実現にこぎ着けた。

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 当日は、録音する楽曲のデモ演奏の後、レコーディングスタジオで行われるのと同様にパートごとに録音が進められた。レコーディングエンジニアが使うコンピューター画面を映した外部モニターも設置。エンジニアからは音楽録音に必要な作業について、一般の人にも分かるような例え話を交えた解説があった。演奏された曲「響く」は、登坂さんがこのイベントのために書き下ろした。

 ボーカルの内藤響子さんは「演奏するミュージシャンにとって、『その場の聴衆に聞かせるためのライブ』と『録音として長く残すためのレコーディング』では気を使うポイントが異なる。公開録音は、レコーディングの現場に聴衆がいるという通常にはないシチュエーション」と話す。終始和やかな雰囲気の会場で録音は順調に進み、終盤に全てのパートを重ねた暫定版の「ラフミックス」が再生されると聴衆から拍手が巻き起こった。

 同院の本堂は、つなぎ目のないタイワンヒノキ材を使って建てられている。録音を担当したサウンドエンジニアの安楽謙介さんは、「別件で訪れた際に本堂に通され、パンッと手をたたいてみると非常に良い響きが返ってきたので、ここで音楽を録音してみたいと思っていた」と話す。当日は、楽器の音を拾うマイクと、本堂の響きを録音するためのマイクが別々に配置され、それらをミックスすることによってどのように音の雰囲気が変わるかを確認する様子も公開された。

 プロモーション担当の大川修治さんは「プロのサウンドエンジニアがどのように音を料理するのか、普段は人目に触れない完成までの工程を一般の方にも見ていただきたいと思い、イベントを企画した」と話す。イベント参加者には細かい調整を施した最終版の音楽データも共有される。

 会場を提供した伝通院の寺務長の井村真則さんは、「文京朝顔・ほおずき市などでも音楽演奏がある。今年はお寺を開いた聖冏(しょうげい)上人の六百年御遠忌。足を運んでいただければ」と呼び掛ける。

 RALabの公開録音イベントの予定は、同団体のフェイスブック、インスタグラム、ツイッターで公開される。

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