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文京・本郷でアートセンターがまち歩き企画 「復興建築」をキーワードに

トーキョーアーツアンドスペース本郷の前で、講師の和田菜穂子さんと参加者のみなさん

トーキョーアーツアンドスペース本郷の前で、講師の和田菜穂子さんと参加者のみなさん

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 トーキョーアーツアンドスペース本郷(文京区本郷2)で2月8日、本郷エリアにある歴史的な建造物を巡るレクチャー&ツアーイベント「体験型の学び・建築を通して本郷の歴史を知る」が開催された。

ツアー参加者に配布した資料

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 2001(平成13)年の開館以来、若手アーティストの育成支援機関として、主に現代アートの展覧会などを行う同スペース。1928(昭和3)年に竣工した同施設について、学芸員らが調査する中で、建物に関する同プログラムが生まれたという。

 この日は約100人の応募者から抽選で選ばれた20人が参加。建築を通して日本の魅力を伝えるガイドツアー活動などを行う「東京建築アクセスポイント」の和田菜穂子さんを講師に招き、参加者らは建築物の楽しみ方についてレクチャーを受けた後、まちあるきを行った。

 関東大震災後の復興事業として建てられ、長く職業訓練校、教育庁庁舎等として活用されていたという同施設。周辺には、同時代に計画された施設が点在する。ツアーでは、旧元町公園、昭和第一高校本館、桜蔭学園本館、東洋学園大学のモザイクタイル, 樹齢600年の本郷弓町の楠(以上、同区本郷1)、瀬川邸(古市公威自宅)、日本基督教団弓町本郷教会、赤錆街路建築、エチソウビル(以上、本郷2)などを回った。

 ツアーに当たっては、本郷地区の復興建築を研究した任意団体「文京・学校再生応援団」が2015(平成27)年に発行したマップ「帝都復興まちなかミュージアム~100年前のまちを歩く~」を活用した。タイルの組み方や窓枠の形などについての解説を交え、時代背景も浮かべながら、一行は令和時代の本郷の風景を楽しんだ。

 弓町本郷教会では大澤宣(おおざわひろむ)牧師による同教会の建物に関するレクチャーもあった。建築家の中村鎮(まもる)さんが同教会の信者だったことから、「鎮(ちん)ブロック」と呼ばれる「中村式鉄筋コンクリートブロック」で建てられたエピソードなどを紹介した。

 学芸員の鬼頭早季子さんは「地域の中で、この建物がどのような役割を担っているのかを見ていたところ、大震災の後の都市の復興として作られたことが分かり、文京のまちや歴史を知るプログラムについて考え始めた」と話す。「こうしたイベントを通じて、地域とのつながりを深めると共に、このアートセンターを知ってもらうきっかけになれたらうれしい。今後もさまざまなプログラムを企画していきたい」とも。

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