親子向け地域イベント「クマのぬいぐるみをプレゼントしよう~親子くみぐまプロジェクト」が6月19日、文京・関口のシェアキッチン&ギャラリー「我楽田工房」(文京区関口1)で開催された。
組み立て式ぬいぐるみ「くみぐま」を使った同イベント。地域課題解決に取り組む2人の大学生が企画立案から実施までを担った。
「くみぐま」は、同スペースを運営する「ボノ」が、日本の地域産業の魅力を伝える目的で企画・商品化した。頭や腕、耳などのパーツを自由に組み合わせることでオリジナルのぬいぐるみを作ることができる。イベントでは、染め物や紙細工など、周辺地域の産業から生まれたパーツが用意された。
当日は同地域に住む親子らが参加。オリジナルの「くみぐま」を披露し、パーツの組み合わせや色合いについてのこだわりを解説し合う場面が見られた。
「SNSでイベントを知った」という女性は、「子どもと一緒にものづくりを楽しめればと思い参加した。クマのぬいぐるみをパーツごとに組み上げるとは思わなかったが、子どもから大人まで楽しめるイベントだった」と話す。ほかの参加者からは「パーツに使われていた染め物がすてきだった」という声も聞こえた。
イベントを企画したのは明治大学農学部の岩田なつこさんと、大正大学地域創生学部の稲垣遥さん。岩田さんは「子どもたちに地域を知ってほしい。地域に愛着を持ってほしい」と話す。企画のきっかけは「コロナ禍で子どもが夢中になって遊ぶ場所がないという地域課題を解決したいと考えたことから」と岩田さん。「大人になった時に帰りたい地元をつくってあげたい」とも。
「最初はうまくいくか不安だったが、皆さん楽しんでくれてよかった。今後は親子で体を動かすようなイベントも企画してみたい」とほほ笑む。稲垣さんは「週に1度の打ち合わせで無理なく実施できた。今後も思い出を形に残していくようなイベントを地域と絡めて企画していきたい」と意気込む。
我楽田工房を管理するボノの藤原美穂さんは「父の日に向けたイベントにしようとアドバイスしたが、『父親のいない家庭でも楽しめるように』という彼女たちの発案でこのようなイベントになった。若くて子どもの目線に近い2人だからこそ、大人も子どもも楽しめるイベントが設計できたのだと思う」と話す。「これからも地域活動を実践していってほしい」と期待を込める。