障がい者支援施設・リアン文京(文京区小日向2)と若手アーティストによるコラボ作品が現在、文京・江戸川橋のショースペース「道のギャラリー」(水道2)で展示されている。
「リアン文京 feat.藝を育むまち同好会」道のギャラリーでの展示の様子
安政年間(1854~1860)創業の伝統木版画工房「高橋工房」が、「路地裏にある工房の目印になるショーウインドー」として2020年4月に開いた同スペース。工房所蔵の作品と、リアン文京の利用者が制作した作品を約2週間のペースで交互に展示し、道行く人を楽しませている。
今回の展示作品は、アートフェアへの出品を目指して今夏に制作された立体作品2点。「藝(げい)を育むまち同好会」で活動する若手アーティストの一ノ瀬健太さん、山田勇魚(いさな)さん、佐々木礼央さん、ツルタシュリさんがアウトリーチとしてワークショップを行い、リアン文京の放課後デイサービスに通う利用者らと共に仕上げた。
「船」をテーマに構想された同作品。子どもたちが銅板をたたく土台作りに数週取り組んだ後、アーティストによるワークショップでおのおのが選んだものを載せて、宝船に見立てた作品が完成した。ギャラリーには作品と共に、ワークショップ当日のドキュメント写真のパネルも展示している。
リアン文京・施設長の山内哲也さんは「コロナ禍で出品を予定していたアートフェアが中止となってしまい、作品が日の目を見ないことをとても残念に思っていた。お披露目の機会を頂けて、とてもうれしい」と話す。
高橋工房代表の高橋由貴子さんは「この大きさの立体作品の展示は初めて。展示するそばから、皆さん興味を示してのぞいてくださっている」とほほ笑む。
同会事務局長も務めるアーティストの一ノ瀬さんは「未来への希望をのせた宝船をリアン文京の皆さんと制作した。我々まちに根付くアーティストと施設利用者さんとの初めての共同作業に、初めは緊張したが、和気藹々(あいあい)と楽しく取り組めた」と話す。「美的強度を伴った作品と自負している。ぜひ鑑賞していただければ」とも。
ショースペースのシャッターが開くのは10時~17時(土曜・日曜は不定期、高橋工房の営業時間に準じる)。10月16日までの予定。