文京区千石で10月30日と11月2日、中高生や若者の孤立を防ぐ居場所「サンカクハウス千石」(千石3)の内覧会が開催された。学校や社会になじめない中高生や若者の自立をサポートするNPO法人「サンカクシャ」が運営する。
「サンカクハウス(居場所)」運営と「社会サンカク(参画)」プログラムの実施を主な活動とし、孤立リスクの高い義務教育終了後の若者に特化した居場所づくりを続けてきた同団体。2019年に、文京区社会福祉協議会と協働し本郷三丁目駅近くでサンカクハウスの運営を始め、徐々に利用者も増えたが、入居ビルの取り壊しが決まり、今年9月末で拠点閉鎖が決定した。
職員の木口未優さんは「一時は居場所の継続を諦めかけたものの、ご縁ある地域の方の紹介で、10月に同じ区内の千石へ移転ができた。移転後の居場所は約3倍の広さがあり、ソーシャルディスタンスも取れる」と話す。
内覧会当日は、近隣住民や子ども若者支援団体、民生委員、文京区教育センターや社会福祉協議会の関係者ら約50人が訪れ、事業についての説明に耳を傾けた。
木口さんは「サンカクシャのことを知ってもらう機会になった。支援が比較的薄いといわれる15歳から25歳くらいまでの『はざまの世代』に関わる重要性が認知され、受け皿としての居場所の存在がもっと求められていると感じた」と振り返る。
同じく説明に当たった職員の坂本竜作さんは「現在21人の区内在住の中高生と若者が利用している。徐々に相談が増えているため、感染症対策を講じながら受け入れ可能な人数を増やし、来年度は50人を目標にしている。地域に根差して活動する団体、個人、行政の方々と一緒に若者支援について考え、行動していきたい」と期待を込める。
サンカクシャは現在、同居場所の開室時間拡大や活動内容充実のため、クラウドファンディングを実施している。目標金額は100万円。11月24日まで。