文京シビックセンター（文京区春日1）で現在、「アートウォールシビック」の8月展示「傍（そば）に 小山このか展」が開催されている。

アートウオール「傍に 小山このか展」の様子

　「アートウォールシビック」は、文京区が若手芸術家への支援の一環として、地下1階アトリウムを囲む回廊をギャラリーとして提供するもの。創作意欲向上のための発表機会と、シビックセンター来庁者に向けて身近に芸術と触れ合える場を提供する目的で行う。

　「障がいとアート」をテーマとする同展。美術作家・小山このかさんが自身の出産や育児を通じて創作した絵画作品や、小山さんが知的障がい児・者を対象に行ったワークショップから生まれた作品などを展示している。

　自分が映った「鏡」にじかに描いて完成させた自画像や、立体制作した「お面」のアーカイブ画像をキャンバス地にプリントした作品など、中学生から20代までおよそ20人のワークショップ参加者の個性豊かな作品が並ぶ。

　小山さんは「ワークショップでは画材を選んで創作の場を提供することが私の役どころ。仕上がった作品を家族や多くの方に見てもらうことで参加者の自信にもつながる」と話す。「弟が重度の自閉症で言葉や単語が一切出てこないことから、コミュニケーション手段は何かと考え、一緒に絵を描くことを続けながら、絵を描く場を提供するのが私のできることでは、と考えるようになった」とも。

　開催時間は区役所の開庁時間に準じる。入場無料。今月30日まで。