神社仏閣などの地域資源を活用したマルシェ運営を考えるイベント「シン・にぎわい会議」が1月16日、我楽田工房(文京区関口1)で開催された。
小石川にある傳通院(小石川3)で地域祭り「文京思い出横丁」を3年前に立ち上げた北永久さんをファシリテーターに迎え、区内外のマルシェ主催者やまちづくり関係者など約30人が参加した。
愛知県豊川市から、豊川稲荷での「縁en」の発起人である倉橋誠さんと、砥鹿(とが)神社での「とが楽市」の発起人である丸山英昭さんを招き、10年、8年にわたる運営経験を共有。2人は当日、文京区目白台にある豊川稲荷神社の別院も訪れ、東京と豊川市の歴史的なつながりを確認した。
パネルディスカッションでは、寺社との信頼関係の築き方や、出店者同士のコミュニティーづくりの手法などが話し合われた。中でも、行政が広報面をサポートしながら若い事業者を中心に新しい形のにぎわいづくりを実現している豊川市と、住民が中心となって試行錯誤しながら継続的な運営を模索している文京区のマルシェとの違いに注目が集まった。
後半は、「縁en」の出店者であるサツマイモ農家の筧勝巳さんと「おいもクリエーター」のえなりんさんが、サツマイモのかぶり物を身に着けてトークショーを行った。実際にマルシェで販売している豊川産の焼き芋や料理も振る舞い、参加者は地域の味を楽しんだ。
千駄木にある養源寺(千駄木5)で「養源寺マルシェ」を主催する今川智広さんは「マルシェも地域ごとにテーマや課題など多様性があることが分かった。継続するためには運営するメンバーが楽しく、負担の少ない環境作りや仕組み作りが重要だと感じた」と話す。
参加した豊川市企画部元気なとよかわ発信課課長補佐の杉本陽平さんは「豊川市の取り組みへの関心の高さを実感した。実際に現地にも来ていただき、出店者や生産者との交流を深めていただき、地域間の新しいつながりを作っていければ」と期待を込める。
豊川市では2月15日には豊川市への視察ツアーを行う。当日開催される「とが楽市」の見学や、豊川稲荷の視察、地元生産者との交流会などを予定する。