東洋学の専門図書館・研究所である東洋文庫が開設した同館。2013年「マリー・アントワネットと東洋の貴婦人-キリスト教文化をつうじた東西の出会い」展、2014年「仏教-アジアをつなぐダイナミズム-」展に続き、今年は「イスラム教」に焦点を当てた。
2階ディスカバリールームでは、600年以上前に書き写された秘蔵の「コーラン」や、1561年にモロッコで書かれたヴェラム(子牛皮紙)製の契約文書、1912年刊の「シャー・ジャハーンの肖像」などの貴重な史料を数多く展示。イスラム教の誕生、伝播の足跡から、イスラム文化の多様性までをキャプションやパネルで解説を添えて紹介。
1階オリエントホールの全長16メートルの展示ケースでは、東洋文庫の蔵書の中から、英語・仏語・ドイツ語などさまざまな言語に翻訳された「コーラン」と、コーランに関する有名な研究書を展示している。
「今回の企画展は2年近く前から準備を進めていた」と普及展示部運営課の池山洋二さん。「連日の報道の影響からか来場者は多く、特に、普段よりお客さまの年齢の幅が広がっている。学生さんなどの若い方にはぜひお越しいただきたい」
1階ミュージアムショップでは、イスラム関連のグッズを販売。トルコやエジプトの大ぶりのピアスや、アラビアのバービー人形といわれるFulla人形、礼拝の時間を知らせるアザーン時計など、珍しいグッズを並べる。
開館時間は10時~19時。火曜休館(火曜日が祝日の場合は次の平日)。入場料は、一般=900円、シニア=800円、大学生=700円、中・高校生=600円、小学生=290円。3月15日には記念講演会を開くほか、期間中はMA(ミュージアム・アテンダント)によるガイドツアーを15時から行う。4月12日まで。