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千駄木の森鴎外記念館で「舞姫」「文づかひ」の自筆原稿公開 同時公開は初

公開している「舞姫」の自筆原稿

公開している「舞姫」の自筆原稿

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 千駄木の森鴎外記念館(文京区千駄木1)で開催中のコレクション展「舞姫-恋する近代小説」で現在、森鴎外の「舞姫」「文づかひ」の自筆原稿が特別公開されている。

展示解説を行う山崎一穎跡見学園理事長

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 明治期に入ってから使われるようになったというキーワード「恋愛」を念頭に、明治20年代の近代小説の誕生と開花を追う同展。鴎外の「舞姫」発表前後で会期を分け、それぞれ「Part1 告白する青年たち」「Part2 二人を引き裂くもの」として、同作品が近代文学史の中でどのような役割を果たしたかを探る。自筆原稿の公開は同展の一環。

 公開している「舞姫」(跡見学園所蔵)と「文づかひ」(大阪樟蔭女子大学所蔵)は、鴎外がドイツ留学後に発表した同国を舞台に執筆した作品群「ドイツ三部作」に数えられるもので、同館によると自筆原稿が同時公開されるのは今回が初めて。展示期間中には2度、展示箇所の変更を行う。

 「舞姫」の自筆原稿は、大阪朝日新聞社の上野精一元会長が1933(昭和8)年に購入し、長らく上野家で保管されていた。1994年に京都の臨川書店が上野家から預かり、昨年3月の「国際稀覯(きこう)本フェア2015」に出品。それをきっかけに同大が購入した。同作品は作品集などに収録される度に鴎外により改稿されているが、今回公開している自筆原稿はその原点ともいえ、極めて希少性が高いものとされる。

 8月1日に開かれた内覧会で、森鴎外記念会の顧問を務める山崎一穎跡見学園理事長は「鴎外自身もこの2つの原稿を並べてみたことはない。自筆原稿では、筆遣いや修正の跡などから鴎外の心の動きが見えてくる。多くの人、特に筆文字になじみのない若い世代に、自筆原稿ならではの良さを知ってもらえるとうれしい」と話す。

 開館時間は10時~18時(金曜は20時まで、最終入館は閉館30分前まで)。期間中の休館日は8月9日。観覧料は一般300円(中学生以下無料)。自筆原稿の公開は9月11日まで(同展は9月25日まで)。

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