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文京で「旧安田楠雄邸」など文化財3施設巡るまち歩き企画 建物内の見学やレクチャーも

ガイドの山村咲子さんと参加者ら

ガイドの山村咲子さんと参加者ら

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 文京・千駄木から本駒込かいわいで9月24日、都の名勝に指定されている「旧安田楠雄邸」など3施設を巡るまち歩きツアーが開催された。

旧安田楠雄邸を見学する参加者ら

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 歴史的建物の保存・調査や、建物を介したコミュニティの輪をつなぐ活動を続ける「文京歴史的建物の活用を考える会」(通称=たてもの応援団)が主催した同イベント。

 同団体ではこれまでにも建物内での見学ツアーやイベントを定期的に開催してきたが、まち巡りをしながら建物を見学する企画は今回が初めてという。今年6月に行った設立20周年記念企画展「たてものつむぎ」の一環。

 ツアー当日は、区内外から20人が参加。同団体副理事長の山村咲子さんのガイドで旧安田楠雄邸内や島薗家住宅、駒込名主屋敷などを見学した。国の登録有形文化財の島薗家住宅では、ボランティアスタッフによるガイドのほか、家主の好物だったというクッキーを味わいながら、プロジェクターで同地域の古地図と現在を比較するミニレクチャーを展開した。

 同ツアーでは、作家・宮本百合子の旧居跡や彫刻家・高村光雲の遺宅、高村光太郎が自ら設計したという旧アトリエ跡のほか、大戦直後に配給資材で建てられたという住宅、動坂遺跡なども巡り、参加者らは3時間弱の行程を楽しんだ。

 山村さんは「まち歩きと建物見学を組み合わせたプログラムは初めての試み。内容をブラッシュアップさせながらぜひ継続していきたい。忌憚(きたん)のない感想を寄せてほしい」とツアー参加者に呼び掛けた。

 フェイスブックで情報を得て参加したという江東区在住の山口祐子さんは「当時の暮らしぶりが垣間見られるような、大正から昭和にかけて建てられた古い住宅が好き。手入れの行き届いた家具や内装から、家族の温かな雰囲気が伝わり、心地よくタイムスリップできた。こうした文化財を維持していただけているのはとてもありがたい」と話す。

 文京・千石で古民家の利活用に取り組んでいるという谷口実知子さんは夫妻で参加。「多くの人に建物を活用してほしいと思う一方、古い建物は維持することも大変。旧安田邸では、壁面や床が痛まないよう細やかなに保護が施されており、とても参考になった」と話していた。

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