跡見学園女子大(文京区大塚1)で9月20日、妊産婦・乳児救護所開設訓練が行われた。
当日は、東京都助産師会の説明で学生らが妊婦体験ジャケットや人形を使って妊婦を疑似体験したり、区の防災課の誘導で救護所の開設から運営までの一連の業務を体験したりした。
同大は東日本大震災以降、災害対策強化と地域連携・人道支援の一環として2012年、文京区と「災害時における妊産婦・乳児支援に関する相互支援」協定を締結。「災害時おなかの中の赤ちゃんを守るプロジェクト」の一環で、区の地域防災計画に基づき、災害時には学内施設の一部を「妊産婦・乳児救護所(旧母子救護所)」として提供することになっている。その準備として、同訓練は2013年から毎年、行われている。
母子専門の救護所は、普段より体力や筋力、免疫力が衰える妊産婦を災害時の心身ストレスから守ることはもちろん、母子2つの命を守るため医療連携や衛生面などの配慮が施され、「男性の目を気にしなくて済む」「子連れであることの気兼ねをしなくて済む」「母子に特化した備蓄品がある」などの利点がある。
同大庶務課課長の大坂晴美さんは「少しでも安心して妊産婦の方が自身のことや赤ちゃんのことを思っていただけるような場所にしたい」と話す。
参加した学生からは、「実際に妊婦体験ジャケットを着てみて、思った以上に重くて驚いた」「妊婦さんの気持ちも考えながら、少しでも力になれればと思う」などの声が上がった。