「不忍(しのばず)ブックストリート~一箱古本市」が4月28日、文京・千駄木の往来堂書店(文京区千駄木2)などで開催された。
文京区と台東区にまたがる谷中・根津・千駄木、通称・谷根千(やねせん)エリアで毎年春と秋に行い、通算21回目となる同イベント。2005年より実行委員会が制作し無料配布している「本と散歩」に関わるスポットを掲載した「不忍ブックストリートマップ」に合わせて企画した。
「一箱古本市」は、地域のさまざまな場所で家主に軒先を借りた出店者が、段ボール1箱分の古本を並べて店を開く。不忍通り沿いの「往来堂書店」や「古書ほうろう」「ひるねこBOOKS」などの書店や古書店のほか、ホテル「HOTEL GRAPHY NEZU」や地域サロン「アイソメ」、「森鴎外記念館」など9会場に40箱が出店した。
9会場を全て回ると記念品を進呈するスタンプラリーもあり、ボランティアがスタンプの押印や会場案内などをサポートした。200個ほど用意した記念品は、イベント終了前に交換し終えたという。
「HOTEL GRAPHY NEZU」で「kamebooks(カメブックス)」の名称で出店した吉田玲さんは、「あちこちの一箱古本市に出店している。のんびりと店番をしながら客と本の話をするのが好き」と話す。
実行委員会の担当者は「店主が選んだ古本を『一箱』という枠の中で販売することで、各店の個性を出すことができると考えて始めた」と言い、「現在では同様の古本市が各地に広がっているが、『一箱』に限定しない古本市では『一箱古本市』の呼称を使用しないでほしい」と呼び掛ける。